フォトギャラリー
目次
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3層の空中庭園で自然を再現
上野の家
「6年前、私の医院を設計したのが森本先生。明るくやさしい空間で患者さんにとても評判がいい」と話す建築主のT氏。その後、しばしば設計者の森本伸輝氏(医療福祉施設研究所 メディカル建築設計事務所設計部長)に会うようになり、自宅である「上野の家」の設計も依頼した。
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天窓、スリット窓で8坪の箱に光を満たす
コトノハ舎
「コトノハ舎」とは、フリーランスのコピーライターである建て主・吉田充氏の屋号だ。独立して6年ほどたち、仕事部屋が手狭になったため、築20年の自宅を建て替えた。
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狭小敷地で最大ボリュームを確保した多面体建築
チカニウマルコウブツ
「面白い家にしたいとお願いしたが、想像以上だった」と話すのは、建築主の釜田夫妻。都内の住宅密集地の一角に、まるで地中に埋まっていた鉱石がひょっこり姿を現したような新居が完成した。
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吉村順三の設計を受け継ぎ、2世帯をつなぐ
井の頭の家・増築
2人の母子のためにつくられた家が、これまで9人の暮らしを包み込んできた。吉村順三(1908~97年)が設計し、1970年に完成した東京都三鷹市の「井の頭の家(日高邸)」である。当時、中学1年生だった住み手の少年はやがて建築設計者となり、この家の増築を吉村設計事務所の所員として担当した。現在は日高章…
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17年前の“つくりかけ”を生かした4層の家
上賀茂の家
1階。開口部を開きながらも落ち着けるようにと、空間に凹凸を設けた。正面に見える「除湿型放射冷暖房システム」のパネルは、間仕切りも兼ねる。その冷暖房効果で、空間を閉じずにオープンにできた(写真:絹巻 豊) 高さ約5mの木ルーバーが家の正面を覆う。「上賀茂の家」は、ガレージや浴室が入る2層の鉄筋コンクリ…
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建築と家具の境界を消したフレキシブルな住空間
家具家(かぐか)
2階居間・食堂・台所。建築にはシナベニア、家具にはラワンベニヤを使った(写真:生田 将人) 建築と家具。特に住宅において両者は切り離せない関係にある。しかし設計過程ではまず建築を考え、その枠組みの中で家具を考えるのが一般的だ。「そうした建築と家具の主従関係を取り払い、二つを同時進行で考えた」と、この…
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膜屋根をかぶせたらせん状ワンルーム
立体・田の字プランの家
「インナーデッキ」と名付けられた南側のコーナーから見た全景(写真:安川 千秋) 敷地は約33坪(111m2)。正方形に近い整形だが、建ぺい率40%、風致条例による外壁後退1mという厳しい条件がつく。加えて、敷地内に約1.2mの高低差があった。「敷地の真ん中にしか建てられないので、建物も正方形にするし…
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厳しい自然環境を克服する奥行き3.3mの大庇
飯能の家
南東側、玄関アプローチから見る。奥行き約3.3mの庇は軒天のこう配を工夫し、夏季の日差しカットと冬季の採光を両立した(写真:大竹 静市郎) 敷地の北側は幹線道路が走り、その向こうにはうっそうとした竹林の山すそが広がる。南側は散策道路と川を挟んで小高い山が迫る。このような南北を山に囲まれたロケーション…
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寝室を均等分割した団塊夫婦向けプランが満室
マチュリティ小石川
リビングから見たシェアリングタイプの寝室(モデルルーム)(写真:柳生 貴也) 鏡に映したように左右対称に並んだ寝室。両室を仕切るウオークイン・クローゼットは、どちら側からも使い勝手が同じになるように、中央で開く2枚の引き戸を採用した。この賃貸マンションのメーンターゲットは、子育てを終えて二人暮らしと…
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築80年の寮を定借分譲住宅として再生
求道学舎リノベーション
東側外観。右手に見えるのが求道会館(写真:堀内 広治) 京都大学建築学科の創設者、武田五一が設計した学生寮「求道学舎」が定期借地権付き分譲集合住宅としてよみがえった。1926年竣工のこの建物は、住宅用途では東京都内に現存する最古の鉄筋コンクリート造建築。3.18~3.68mの階高、廊下や開口部にちり…
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ガラス張りでも住みやすさを犠牲にしない
洗足の連結住棟
洗足の連結住棟(写真:吉田 誠) 東京都大田区の閑静な住宅街に、平面形状が正方形の住棟を10棟つなげた賃貸マンションが完成した。外壁のほとんどはガラス張り。道路から見ると、中にいる人の動きが手に取るようにわかる。家具も丸見えだ。洗足の連結住棟(東京都大田区)・設計:北山恒+architecture …
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車社会と共存する現代的な町並み保全
吉久の家
右側の2階建て部分は既存住宅の改修、左側の平屋は増築(写真:生田 将人) 富山県高岡市吉久(よしひさ)地区はかつて米商で栄え、伝統的町家が今でも数多く残っている。こうした歴史的町並みの保全に当たっては、厳格な保存を課す手法がある一方で、建て替えなどによる更新を選択する場合に現代のライフスタイルや住居…
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改修抑えめの築40年住宅に入居希望殺到
C.U.T
C.U.T(写真:細谷 陽二郎) この建物はもともと、変電所に併設された東京電力の社宅。築後40年が過ぎ、ここ数年は閉鎖されたままだった。「変電所と同じ敷地内にあるので、社宅だけを建て替えることが法的にできず、手をこまねいていた」と東京電力土地建物活用グループの中尾浩行氏は話す。試しに建物を調査して…
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内装から家具までトータルコーディネート
シームレス
既存の柱・梁の角を丸くかたどり、天井・壁・床のすべてを白の樹脂モルタルで仕上げた(写真:細谷 陽二郎) 12年前に中古で購入した1971年竣工のマンション。多忙な脚本家業を営む住まい手は、電子メールで住戸のリフォームを依頼した。宛先はコムデザイン(東京都港区)だ。シームレス(東京都小金井市)・設計:…
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過剰につくりこまないバリアフリー
格子引き戸でつながるいえ
1階和室から居間、食堂を見る(写真:車田 保) 「これはいい。上りやすい階段になった」。できあがった階段を試して、建て主はじめ関係者たちが満面に笑みを浮かべた。格子引き戸でつながるいえ(愛知県海部郡)・設計:小林聡建築研究所・施工:吉富工務店
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基礎のコストダウンで上屋を充実
海の見える丘の家
2階子ども室から1階居間と吹き抜けを見る(写真:新関 雅士) 「やはり、盛り土か」。開発申請の図面を見て、プライム一級建築士事務所(東京・新宿区)の西島正樹代表はうなった。横浜・山手のひな壇状の造成地。不等沈下を防ぐには杭などの対策が必要となり、コストアップは避けられない。海の見える丘の家(神奈川県…
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10棟に分けて外部との多様な関係を構築
森山邸
敷地の中ほどにあるB棟。1階はダイニングキッチンで、はしごの上にも部屋がある。写真左手はガラス張りの渡り廊下を介して地下1階・地上3階建てのA棟につながる。正面は浴室だけのD棟。いずれも建て主が使う棟で、建物に囲まれた空地が庭になる(写真:吉田 誠) 私鉄の小さな駅を降り、古びた家屋が並ぶ細い道をし…
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狭小ワンルームに広がり感と機能性と可変性
スカレッタ
南側外観。天空率を使って道路斜線制限の緩和を受けた(写真:柳生 貴也) 再開発が進む東京・品川の隣駅、JR西大井駅周辺には、まだ下町の雰囲気が色濃く残っている。密集地のただ中に建つ「スカレッタ」も、敷地の間口はわずか7m。地下1階・地上6階の細長いマンションだ。7戸の賃貸用ワンルームと、建て主夫妻の…
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減築が生んだ豊かな土間空間
ペンションを住宅に改築するプロジェクト
ペンションを住宅に改築するプロジェクト(写真:吉田 誠) 改修を経て完成したのは、元ペンションオーナーの住宅の離れ。建物は畑に向かって開いている。畑に面した東側に建物の半分近くを占める土間空間をつくり、西側にいろりやキッチン、和室、書斎を配置した。畑で採れた野菜を調理し、趣味のしの笛を吹き、陶芸に励…
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西日と視線を避けて大開口を2階に
古田台の家
西側のファサード。1階を壁で覆い、西日と前面道路からの視線を遮った(写真:大竹 静市郎) 開くべきか、閉じるべきか──。建て主である尾立道泰氏(坂内建設常務)は悩んでいた。島々の浮かぶ瀬戸内海と広島市街を見下ろす大パノラマにほれ込んで取得した高台の土地だ。これを生かさない手はない。だが、眺望を最優先…