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 「よく中央の議論として、自由に使える色の着いていない真水(お金)を地方に回せばいいという耳障りのいいのがあるでしょ。道路に回したいところは回せばいいし、社会保障を充実したいところはそうすればいいと。それは勝手な議論です。ものすごく、勝手な議論」

 いまもし、いわゆるひも付きでない財源があったとしたらという仮定の話題に対して、宮崎県の東国原英夫知事が発した言葉です。社会資本の整備水準に地域間格差があるのを無視して整備の是非を論じるのはおかしいといった主張を展開しました。

 社会資本の地域間格差は確かにあります。経済、財政、気候風土、人口構成など社会資本を取り巻く環境も地域ごとに異なります。今後の社会資本整備をどうするかは、ナショナルミニマム(国家が国民に保障する最低限度の水準)を踏まえながら、地域ごとに個別解を探していかなければなりません。

 日経コンストラクション1月23日号では、「いま造るべき社会資本」と題して、成熟社会における社会資本整備のあり方を考える特集を企画しました。冒頭の東国原知事へのインタビューも今号に収録しています。

 社会資本整備で検討すべき課題を挙げると、その複雑で深刻な内容に気が遠くなりそうです。社会資本の老朽化、人口の減少、少子高齢化、投資余力の減少といった現実を直視しつつ、経済の活性化、安全性の向上、環境への配慮などに取り組まなければなりません。「造る」から「使う」「営む」への軸足のシフトも必要になります。

 特集では、そうした課題に向き合ってギリギリの選択をした事例を紹介しています。将来にわたって土木技術者が責任を果たすには、公共サービスにメリハリをつけることが必要です。「交通実態から計画を縮小・重点化」、「大規模工事を伴わない方向に見直し」、「不便でも安く」といった事例紹介の見出しからも、今後の社会資本整備の方向性が垣間見えるのではないかと思います。ぜひご一読下さい。