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(写真:日経コンストラクション)
(写真:日経コンストラクション)


 ヤマケン(鳥取市)工事部土木課の塚川真也主任が初めて現場の責任者である現場代理人を任されたのは、別の建設会社に在籍していた弱冠21歳のとき。地場の建設会社の方が、全国展開している建設会社よりも早く現場代理人を任せる傾向があるのは確かだが、21歳は異例の早さだ。「高校の土木関連学科の同級生では一番早かった」と塚川主任は照れながら話す。

 塚川主任が若くして現場代理人を任された理由の一つは吸収力だ。上司である大谷真嗣工事部長は「努力家で、一度説明したら理解して自分の知識として吸収し、応用する力がある」と評する。塚川主任本人は、「努力家のつもりはない」と謙遜(けんそん)するが、自分で得た知識を現場に応用したり、独自の工夫を盛り込んだりした例は数多い。「毎回同じことをしていては成長しない。必ず前回とは違う方法を取り入れている」(塚川主任)。

 その一つが、日経コンストラクション2007年12月14日号の特集「差がつく施工計画」で紹介したCCPM(クリティカル・チェーン・プロジェクト・マネジメント)を取り入れた工程計画だ。

 CCPMとは、「人は無意識のうちに余裕をみる(サバを読む)」ことを見越して計画を立てる考え方。担当者に各工程の日数を申告してもらい、その半分を「サバ」と考える。それらを「プロジェクト・バッファ」として集め、工期短縮などを議論した後で日数を再分配する。

 塚川主任は日経コンストラクションを読み、現場で試そうと考えた。取り入れたのは鳥取県が発注した舗装工事。現場代理人を務めて五つ目の現場で、26歳のときだ。そのまま取り入れたのではなく、独自の工夫を凝らしている。


初めから余裕を見て工程を決めるのではなく、余った日数を「余裕日」として工程表に書き込む独自の工夫。色を変えることで、次の工種に進む意識を喚起させる(資料:ヤマケン)
初めから余裕を見て工程を決めるのではなく、余った日数を「余裕日」として工程表に書き込む独自の工夫。色を変えることで、次の工種に進む意識を喚起させる(資料:ヤマケン)


 まず、通常は書かない各工種の所要日数を工程表の横に図化する。図化するのはサバを読まずやればできそうな日数だ。その日数を工程表に書き込みながら、全体の流れを考える。

 最後に、完成予定日までの余裕を見て、「余裕日」を各工種に付け足す。その際、余裕日であることが分かるように色を変えておく。誌面では紹介していない独自の工夫だ。

 塚川主任は「色を変えることで、技術者や作業員が『この日は余裕日だから、工程が予定通りに終われば次の工程に進もう』と考える」と説明する。余裕日を使わなかった場合は、その都度工事を前倒しするように工程表を変更。結局、全118日間の工期を9日間短縮した。