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 社会資本整備が成熟期を迎え、これからは維持・補修の時代だといわれていますが、技術面でも予算面でも人材面でもまだまだ体制が整っていないのが実情です。特に技術面では、維持・補修に関する知識や経験が足りないばかりに、同じようなミスが繰り返されています。以前に補修した土木構造物で、想定外の再劣化が進行している例も見受けられるようになってきました。そうした現状への危機感から日経コンストラクションが5月28日号で企画した特集が、「補修が危ない」です。

 実際のトラブル事例から維持・補修のチェックポイントを学んでもらおうと、特集にはできるだけ実例を盛り込みました。収録したトラブル事例は14に上ります。

 なかでも、上面増し厚工法による床版補強のトラブルは必見です。舗装がはく離する「ポットホール」が生じたり、増し厚したコンクリートがはく離したりと、高速道路で思わぬ再劣化が進行していました。トラブルの現状、再劣化の原因と対策をまとめています。ぜひご一読ください。

 床版上面増し厚工法は、既存の床版の上面に新たにコンクリートを打ち足して補強する工法ですが、供用中の高速道路で施工する場合は、交通を規制して車線ごとにコンクリートを打設します。その際にできる施工目地などから雨水が浸入し、度重なる荷重の作用を受けて既存部と増し厚部の境でコンクリートがはく離したことが劣化の原因の一つだと考えられています。今でこそ標準化されている防水層が、問題が表面化している物件の補修当時に一般化していなかったことも、再劣化を招く要因となったようです。同じような条件の床版上面増し厚工法の施工個所では、そうした観点での点検が必要ではないでしょうか。