PR

駅直下に並ぶ2本のシールドトンネルを切り広げて、その間にホームを築く。道路下での施工例はあるが、鉄道直下では初のケース。道路では数センチメートルの沈下が許されるものの、この現場では8mmが限界値だ。

小田急小田原線下北沢駅の直下で、周囲を掘削してセグメントが露出したシールドトンネル。シールドトンネルの外径は8.1m。この間を切り広げてホームを築造する(写真:勝田 尚哉)
小田急小田原線下北沢駅の直下で、周囲を掘削してセグメントが露出したシールドトンネル。シールドトンネルの外径は8.1m。この間を切り広げてホームを築造する(写真:勝田 尚哉)

 施工現場は、小田急電鉄小田原線代々木上原駅─梅ケ丘駅間の連続立体交差と複々線化事業区間のうちの第3工区。東京都世田谷区の下北沢駅を中心とした645mの区間だ。現在、地上を走っている複線の営業路線の直下にシールドトンネルと箱形トンネルを上下2層に築く。地下化して道路と立体化交差にし、同時に複々線化する。工事は、下層に当たるシールドトンネルを先に掘削し、その上に箱形トンネルを施工する。

 シールドトンネルは2009年10月に到達し、上部の箱形トンネルも11年5月に築造を終えた。現在、この箱形トンネルの下を掘削してシールドトンネルのセグメントを切断して切り広げ、2本のトンネルの間に築造するホームの底版などを施工している。下北沢駅の新しいホームができる長さ180mの区間だ。

 「道路の直下でシールドトンネルを切り広げて駅を施工した事例はあるが、鉄道の直下では初めてだ。道路の場合は数センチメートルの沈下が許容され、迂回路を設けることもできる」と、小田急電鉄複々線建設部下北沢工事事務所の佐藤賢一郎総括主任。180m区間の線路の荷重は箱形トンネルが受け、さらにこの荷重をシールドトンネルが受けている。トンネルの切り広げ作業では、セグメントが支えていた荷重を鋼管柱に受け替えていくが、その際に線路が沈下する恐れがある。