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──ほかにも模型がいっぱい…。いつごろからこうした模型を?

藤井 大学院を出て当社に入ったばかりの20代半ばくらい。当社は地盤関連の調査・設計業務がメーンですが、社長の父に代わって発注者に技術提案などの説明をする役を任されたんです。だが若かったためか、なかなか相手に納得してもらえない。そこで、こうした模型を持っていくようになった。毎回、何か抱えて行くものですから、そのうち「今度は何?」と担当者たちから楽しみにされるようになって…(笑)。

 しばらくすると発注者や元請けの建設会社などから、住民説明会などでの“出前講義”を頼まれるようになりました。

 例えば急傾斜地の地すべり対策で実施する排水ボーリングでは、住宅の裏山とか、生活空間に近接した箇所での工事を嫌がる住民もいる。発注者や元請けもなぜ工事が必要か、詳しくは説明しない。こうした模型で説明すると、嫌がっていた住民が「すぐやってくれ」と変わることも多いんですよ。

NATM工法の原理を説明する模型。ナットを土に見立て、紙の帯でトンネル断面の形をつくる。断面周囲のナットを粘着テープ(黄色いテープ)で固定すると、模型を立てても紙帯の断面はつぶれない(写真:日経コンストラクション)
NATM工法の原理を説明する模型。ナットを土に見立て、紙の帯でトンネル断面の形をつくる。断面周囲のナットを粘着テープ(黄色いテープ)で固定すると、模型を立てても紙帯の断面はつぶれない(写真:日経コンストラクション)
中央の模型では、擁壁にかかる力を表現。ハンドルを回すと白いスクリーンが下方向に動き、土(ナット)も追随。これを土圧と見立て、擁壁の形状の違いによる耐力差を説明する(写真:日経コンストラクション)
中央の模型では、擁壁にかかる力を表現。ハンドルを回すと白いスクリーンが下方向に動き、土(ナット)も追随。これを土圧と見立て、擁壁の形状の違いによる耐力差を説明する(写真:日経コンストラクション)
受働土圧と主働土圧を説明する模型。土に見立てたのは3袋100円のパスタ(写真:日経コンストラクション)
受働土圧と主働土圧を説明する模型。土に見立てたのは3袋100円のパスタ(写真:日経コンストラクション)
サイト「防災模型じっけん楽会」では、他の模型も紹介している

 5年ほど前からは、地元の建設会社や建設コンサルタント会社の研修会にも呼ばれるようになりました。「最近の技術者は書類仕事ばかり。山や土をしっかり見る時間がないから、教えてやってくれないか」と言われてね。高等専門学校や大学の学生向けセミナーとか、小・中学校での防災教育授業などにも広がって、今もあれこれと、毎月最低1回はこうした活動を行っています。