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行政と住民、土木と建築。その垣根を越えれば、公共事業の新たな方法論が見えてくることもある。「土木出身の建築家」である西村浩氏のまちづくりは、既存の垣根にこだわらず、常に「地域は何を求めているか」に立脚点を置く。

西村 浩(にしむら・ひろし) 1967年佐賀県生まれ。建築家。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。99年にワークヴィジョンズ・アーキテクツ・オフィス(現ワークヴィジョンズ)を設立(写真:安川 千秋)
西村 浩(にしむら・ひろし) 1967年佐賀県生まれ。建築家。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。99年にワークヴィジョンズ・アーキテクツ・オフィス(現ワークヴィジョンズ)を設立(写真:安川 千秋)

 設計事務所ワークヴィジョンズ(東京都品川区)の西村浩代表は故郷の佐賀市で、ある社会実験に取り組んでいる。中心市街地の空洞化対策として進める「わいわい!! コンテナ」プロジェクトだ。市中心部に「原っぱ」と名付けた空き地を設けてにぎわいを取り戻す、という試みで、市が2012年度に実施。好評だったことから今年度も継続中だ。

 このプロジェクトは、空いている土地を借りて芝生を植え、古いコンテナを数基、改装して敷地に設置するというもの。雑誌や絵本を並べた「読書コンテナ」、イベントなどに使える「交流コンテナ」、希望者が仮設店舗を出せる「チャレンジコンテナ」で、誰もが無料で利用できる。

 原っぱでかけっこに興じる子どもたち。読書コンテナには昼時、お弁当を持ち込んでくつろぐ会社員も現れる。交流コンテナで幼児に絵本を読み聞かせる母親もいる。地元の外国人教師によるボランティアの英会話教室も開かれる。ここで知り合った主婦たちは、コーラスグループを結成。隣地には、集まる人を見越して飲食店もオープンした。

佐賀市が社会実験として実施している「わいわい!! コンテナ」(http://www.waiwai-saga.jp/)(写真:ワークヴィジョンズ)
佐賀市が社会実験として実施している「わいわい!! コンテナ」(http://www.waiwai-saga.jp/)(写真:ワークヴィジョンズ)
「読書コンテナ」の室内(写真:三上美絵)
佐賀市が社会実験として実施している「わいわい!! コンテナ」(上と左下、写真:ワークヴィジョンズ)。右下は「読書コンテナ」の室内(写真:三上美絵)