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 日経コンストラクションでは年に1、2回、土木工事や建設コンサルタント業務の入札制度についての特集記事を掲載しています(昨年は掲載なし)。ここ数年の記事を振り返ってみると、入札制度の迷走ぶりがよく分かります。タイトルだけを見ても、「混乱する入札制度」(09年5月22日号)、「入札制度がおかしい」(10年3月26日号)、「保護策強まる入札制度」(10年6月11日号)、「行き詰まる入札制度」(11年9月26日号)と、入札に携わる発注機関や受注者の悩みが深いことが読み取れます。

 今年は9月23日号で、特集「後退する競争入札」を企画しました。国土交通省や都道府県、政令市、高速道路会社などの主要な発注機関に対してアンケート調査を実施し、合計85機関の入札制度の動向をまとめました。


日経コンストラクション2013年9月23日号特集「後退する競争入札」から
日経コンストラクション2013年9月23日号特集「後退する競争入札」から

 目に付くのは、特集のタイトルにもあるとおり、競争性の低下が顕著なことです。12年度の入札結果を見ると、全都道府県で土木工事の平均落札率が85%を超えていました。本誌が5年前に実施した同様の調査と比べると、例えば一般競争入札の平均落札率が90%以上だった都道府県の数は約4倍に達しました。

 直接の理由として大きいのは、各発注機関が低入札価格調査制度の調査基準価格や最低制限価格を軒並み引き上げていることです。建設会社にしてみれば、低い価格で応札すると落札できない可能性が高いわけですから、おのずと落札価格は上振れします。しかも、入札価格が最低制限価格付近で横並びになり、くじ引きによって落札者が決まるケースも後を絶ちません。

 最近の入札方式の変更は、不調・不落の増加や発注量の急増に対応する目的があります。労務費の高騰なども指摘されているなか、落札率の上昇自体は必要であるとも考えられます。一方、「地元企業の保護」が入札方式変更の狙いである自治体も少なくありません。

 競争性の確保も重要、地元企業の保護も重要――。理屈は分かりますが、これを一本の制度で両立しようとすると、制度にほころびが出てくるのは明らかです。本誌がここ数年、入札制度に疑問を投げかける特集をお届けしてきた理由もそこにあります。そろそろ、「競争性」と「保護」を別々に実現するような制度も考えていく必要があるのではないでしょうか。