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 国を挙げて取り組む海外へのインフラ輸出。民主党から自民党に政権が変わり、「国の本気度が増している」との声が聞かれます。しかし、いまのところ実績ははかばかしくありません。

 8月、ミャンマー政府が実施した二つの国際空港の運営などに関する事業の入札で、日本企業は中国や韓国などの企業連合に敗れました。また、タイの25河川を対象とした治水コンペでは、日本とタイのJVは5月の入札締め切りを前に撤退するという結果に終わっています。

 一方で、もっと規模は小さいですが、国の後押しがなくても海外への技術の売り込みに成功している事例があります。日経コンストラクション10月28日号では、特集「なぜその技術は海外で売れた?」を企画し、海外に技術を売り込むためのコツを探りました。


日経コンストラクション2013年10月28日号特集「なぜその技術は海外で売れた?」から
日経コンストラクション2013年10月28日号特集「なぜその技術は海外で売れた?」から

 特集記事では、五つのケースを取り上げました。それらを眺めていると、持っている技術に優位性が必要なのはもちろんですが、それだけではビジネスとしての成立が難しいということが見えてきます。

 冒頭で、西日本高速道路会社が出資する「ネクスコ・ウエストUSA」が、「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」内にあるモノレール施設を点検する業務の試験施工の受注に成功したケースを紹介しています。社員が自ら点検機器の操作に熟達して技術をプレゼンする、国際会議や展示会などにもこまめに顔を出す、米国で主流の点検方法を研究して潜在ニーズを把握するなど、コツコツと努力を積み重ねた結果が受注に結び付いていました。カンボジアのプノンペンで水道事業を手掛けている北九州市の事例では、一緒にゴルフをすることが現地職員の信頼獲得のきっかけになりました。

 「日本の建設技術は高度だが、海外ではコスト競争で負けてしまう」。よく、このように指摘されます。それも真理ですが、海外への建設技術の売り込みで足りないものは、技術力やコスト競争力よりも、実は「泥臭い営業」なのかもしれません。