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 並行する2本のシールドトンネルを延長180mにわたって、開削せずに切り開く世界初の工事が進む。道路トンネルの分岐合流部を構築している。NATM工法で地下空間を生み出し、鋼製セグメントでシールド同士を一体化する。

 並走する2本のシールドトンネルの100m以上の区間を、地中からの掘削だけで一断面に変え、鋼製セグメントで一体化する──。そんな世界で初めての工事が進行している。場所は2014年度中の開通を目指す首都高速道路中央環状品川線の大橋ジャンクション(JCT)だ。

2本のシールドトンネルの上側にアーチを渡すように鋼製セグメントを架設する。左側が本線トンネル、右側が大橋連結路のトンネル。切り開きが可能なように全て鋼製セグメントを使用している(写真:大村 拓也)
2本のシールドトンネルの上側にアーチを渡すように鋼製セグメントを架設する。左側が本線トンネル、右側が大橋連結路のトンネル。切り開きが可能なように全て鋼製セグメントを使用している(写真:大村 拓也)

 左右に並ぶ2本のトンネルをつなぐ部分は、完成時の内部の横幅が約21mに達する。大断面区間は最大で154.8m続く。2本のシールドトンネルのうち、1本は外径12.3mの本線トンネル。もう1本は、供用中の大橋JCTへつながる外径9.5mの大橋連結路トンネルだ。左右2本のトンネルは、さらに上下2層で並んでいる。

 07年に一部区間が開通した中央環状新宿線でも、シールドトンネルを切り開いて、地上との出入り口を構築した。ただし、大半の部分は地上からの開削による施工だ。開削が不可能な一部の場所に限って、開削区間からトンネル方向にパイプルーフを施工。地山を仮受けし、地下水を止めながらシールドトンネルをつなぐ空間を確保した。

 一方、大橋JCTの工事では完全に非開削でトンネルをつなぐ。施工現場の地上部に流れる目黒川は、開削工法で施工する際の支障となる。さらに、地上部には幹線道路の山手通りが走り、菅刈陸橋が架かる。開削では地上交通への影響も大きいと首都高速道路は判断した。