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 法面に保護用の植生を施したが、野生動物の食害を考慮しない設計と完成後の“放置”で台無しに――。会計検査院が2012年度決算検査報告でこう指摘したのは、大分県が実施した法面工事だ。

 問題の工事は同県が宇佐市安心院町で、農林水産省の補助事業として実施した農道新設事業に伴い行ったものだ。その内容は、切り土した法面を保護するための植生工事やモルタル吹き付け工事などで、そのうち植生工事は、生チップに種子などを混合した植生基材を法面に吹き付ける工法を採用。吹き付けの厚さは3~5cm。吹き付け断面の中間付近に敷設した金網を地山に固定し、植生面を安定化する工法だった(下の図)。施工面積は約3723m2。

大分県が実施した植生工事の断面イメージ(資料:会計検査院)
大分県が実施した植生工事の断面イメージ(資料:会計検査院)

 この現場を実地検査した同院は、植生した範囲のほとんどが野生動物によって食害を受けたり、踏み荒らされたりしている状況を確認。施工範囲全体のうち、約3340m2で植物が十分生育していなかった。