PR

 会計検査院は2012年度の決算検査報告で、山口県が実施した用水路の改修工事を不当事項とした。設計時の現況把握が甘く、完成した管水路の一部が強度不足となっていた。

 この工事は同県が農林水産省の補助事業として、07年度と08年度に岩国市内で実施したもの。市道の外縁に設けられていた用水路に土砂が入り込むことを防ぐため、用水路全体を管水路化する改修だった。全体の施工延長は717.8m。

 既存の用水路は開水路と暗きょとで構成され、同院が問題を指摘したのは開水路区間の一部だ。開水路区間では、水路内に高密度ポリエチレン管(直径630mm、管厚30mm)を敷設し、既存の水路とポリエチレン管との間に土砂やコンクリートを側壁の天端の高さまで充填(下の図)した。同区間の施工延長は568.5mだ。

開水路区間に敷設した管水路の断面イメージ(資料:会計検査院)
開水路区間に敷設した管水路の断面イメージ(資料:会計検査院)

 こうした構造の管水路を設ける際には一般に、敷設管に掛かる自動車の荷重などを考慮する必要がある。だが、この改修で設計業務を県から委託された設計者は、「管は市道の幅員外にある開水路の内部に敷設するのだから、自動車荷重は作用しない」と考え、応力計算なしで設計。施工者も、その図面に従って施工した。