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 「技術提案書の方向性は上司に決めてもらいたくない。まず私が考えたい」。こう言い放つ建設技術研究所東京本社道路・交通部主任の鈴村雅彦氏は、表情こそ柔らかいものの、口調は至って真剣だ。隣に座る同氏の上司で道路・交通部次長の野見山尚志氏は、「確かに彼に任せると非凡な内容になる」とうなずく。

 鈴村氏は道路・交通部の中で計画グループに属し、国や地方自治体が発注する道路整備効果を検討する業務などを担当する。上司もうなる提案力で、毎年のようにプロポーザル業務の受注を実現している。

 道路ができて何が良くなるかと聞かれれば、多くの人は渋滞の解消や移動時間の短縮、観光産業の振興などを連想するだろう。道路整備の効果を検討する業務のプロポーザルで建設コンサルタント会社が発注者に示す技術提案書も、そのような内容でまとまりやすい。

 「本当にそれだけか。新しい道路ができれば、地域住民の生活や産業にもっと広範囲な影響を与えるのではないか」。こう考える鈴村氏の技術提案書には、畜産業の振興や高齢者の介護など、一見、道路整備とは関係が薄そうな項目が並んでいる。