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 東日本大震災から3年。復興は進みつつありますが、人や資材の不足が足かせになっているとかねて指摘されています。しかし、ヒトやモノが十分なら復興がスムーズに進むかといえば、そう単純には行かないようです。被災地にはいま、様々な不安がまん延しています。

 日経コンストラクションの3月10日号では、その「不安」に焦点を当て、特集「復興が抱える不安」を企画しました。


日経コンストラクション2014年3月10日号特集「復興が抱える不安」から
日経コンストラクション2014年3月10日号特集「復興が抱える不安」から

 東日本大震災の場合、特に難しいのは、破壊されたインフラを原形復旧するだけでは済まないという点です。将来にわたる津波被害を防ぐために、防潮堤の高さをどのように設定するか。人口減少時代に、被災した鉄道を元の状態に戻すべきなのか――。これらの問題は、防潮堤や鉄道単独ではなく、今後のまちづくりと密接に関わってきます。

 例えば防潮堤について。震災直後、住民の多くは、防潮堤の「高さ」を受け入れることについて、それほどの異論はなかったことでしょう。しかし、時間とともに被害の記憶は薄れていきます。行政と住民との間で、また同じ住民でも海のそばに住む人とそうでない人との間で、異なる意見が出てくるのも自然なことかもしれません。3年たった今だからこそ、課題が大きくなっていると言えます。

 特集記事では、様々な意見を持つ人々のはざまで揺れた、宮城県気仙沼市での防潮堤整備の事例を取り上げています。同市では、住民が何度も勉強会を開催し、村井嘉浩宮城県知事も交えて議論を重ねました。そうしたなか、お互いが少しずつ譲歩することで、妥協点を見いだすに至りました。

 とはいえ、防潮堤建設の合意率は地区による差が大きく、いまだ事業に着手できないところは少なくありません。防潮堤以外にも、今後の鉄道復旧、工事の安全対策など、復興にまつわる不安はそこかしこに見られます。特集記事では、これらを含めた六つの「不安」をクローズアップしながら、被災地の現状を描きました。

 本誌では今後も折に触れ、復興の進捗や、地震や震災に対して土木が果たす役割について、お伝えしていきたいと思います。