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 東日本大震災からの復旧・復興では、道路や港湾、鉄道、まちづくりなど、様々な場面で土木技術が生かされました。「自衛隊の活躍ぶりに比べて報道量が少ない」と嘆く声はあったものの、世間の人々にも土木の役割は認知されたことと思います。

 一方、土木技術が貢献しているのに、その様子があまり伝わってこないのが、福島第一原子力発電所の事故処理です。周辺地域の除染に関する報道はありますが、原発内部の様子についてはなかなかうかがい知ることができません。

 事故処理の最前線で、土木技術がどのように役立っているのか。日経コンストラクション3月24日号では、特集「土木が挑む『原発事故』」を企画し、原発事故処理を支えている土木技術に焦点を当てました。


日経コンストラクション2014年3月24日号特集「土木が挑む『原発事故』」から
日経コンストラクション2014年3月24日号特集「土木が挑む『原発事故』」から

 例えば、震災の約半年後から始まった原子炉建屋のがれき撤去作業。高線量下での作業を可能にしたのは、建設会社が培ってきた無人化施工技術でした。1991年に発生した長崎県・雲仙普賢岳の火砕流災害を契機に技術開発が進み、その後も地道に改良を重ねてきた技術です。

 GPSなどを利用して建機の位置や動きを制御する情報化施工技術、長距離シールド工事向けの資材の自動運搬技術などを組み合わせ、高線量のがれきの搬送が続いています。この作業が順調に進めば、14年度の上期には使用済み燃料取り出しのための準備作業に移り、廃炉に向けた次のステップに進むことになります。

 さらにこの3月からは、度重なる汚染水漏れの抜本的な対策として、地下水を遮断する凍土遮水壁の試験施工が始まりました。特集記事では対策の概要をお伝えしていますが、実際の現場の様子についてもタイミングを見計らい、改めて報じる予定です。

 全国に目を転じれば、停止している原発の再稼働を見据え、防潮施設の増強や災害時のアクセス道路の多重化といった事業が動き始めています。発電施設そのものに土木技術はやや縁遠い気がしますが、安全対策を含めて考えれば、土木技術者の活躍の場は大いにありそうです。