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 カワノ工業は、「竹コンクリート漁礁」を発売した。間伐した竹を利用した漁礁で、竹は径が太い孟宗竹を採用した。節をくりぬき、鉄筋を挿入した後、流動モルタルを充てんした竹材を縦方向に4面に配置。上下をコンクリートで固定しておりのような形状にした。

 コンクリート素材には、ゴミを焼却した後の灰を高温で加熱した溶融スラグを骨材として使用している。竹が腐食しても竹筒内のモルタル部が残り、耐久性と強度が持続する。

 実験で、有機物である竹の集魚効果が高いことを確認した。1年ほどで藻や海草が付着する。間伐材を利用することで、放置竹林対策の効果も見込んでいる。価格は1基当たり10万円。

開発の背景
山を元気にすることで港に魚を呼ぶ

カワノ工業 取締役開発部長
林 桂一

 山口県では放置竹林の面積が広がっている。健全な山づくりのために密生した竹を間伐する必要がある。そこで竹材をリサイクルする製品を開発した。間伐した竹を余すところなく使い切ることが大切だと考えている。太い部分でおり状の漁礁をつくる。竹の細い部分は、大きなU字側溝の内部に詰め込み網でフタをした暗きょ型の漁礁として製品化を計画している。

 健全な生態系の山があるところには、海に動物性プランクトンが多く発生する。木漏れ日の差す山には潤沢な腐葉土が形成され、植物性プランクトンが雨で川から海に流れて、動物性プランクトンのエサとなる。良質の動物性プランクトンは魚や貝を繁殖させる。そこに漁礁を沈めれば、さらに魚が集まる良い港をつくることができる。

 内部を鉄筋コンクリートで補強しているので、竹が腐食しても、漁礁が残るようにした。コンクリートだけだと、藻などが付着するのに2~3年かかるが、竹だと1年ほどで済むのも利点だ。(談)

(日経コンストラクション5月23日号「新製品・新サービス」より)