PR
有明海のノリ不作問題で農林水産省が設置した調査検討委員会(委員長:清水誠東京大学名誉教授)は4月17日,諫早干拓の排水門は少なくとも1年間は閉じたまま調査するという見解を表明した。委員会では,漁業関係者の委員が早期開門を主張。委員長の解任を求めて紛糾する一幕もあった。  委員会は排水門開放の方法についても討議した。農水省は,短期的に開放する案と長期的に開放する案とを提示。現状の施設を特に変えなくてもできる短期間での開放による調査を主張した。  一方,長期的な開放については,準備工事に780億円以上の費用と15年の工期がかかると試算した。費用の内訳は,巻き上げを防ぐための土砂のしゅんせつに約400億円,洗掘を防ぐための護床工の強化に約330億円,ゲート構造の変更に約50億円などとなっている。これに対して委員からは,「長期開放が必要とした前回の委員会の提言に沿っていない」と修正を求める声が相次いだ。  同委員会は,9月に中間取りまとめを公表する予定。