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 宮崎市の廃棄物処理施設「エコクリーンプラザみやざき」の調整池に欠陥が見つかった問題で、「エコクリーンプラザ問題外部調査委員会」(委員長:野崎義弘弁護士)は1月14日、発注者と設計者、施工者の3者それぞれに責任があったとする最終報告をまとめた。

 エコクリーンプラザみやざきは、(財)宮崎県環境整備公社の廃棄物処理施設。2005年11月から本格的に稼働を始めた。調整池の四つの水槽のうち、三つに地盤沈下による亀裂が生じたので、施設の稼働開始当初から三つの水槽が使用できない状態にあった。

 亀裂などの欠陥は2008年4月、新聞報道で初めて公になった。宮崎県などが設置した外部調査委員会が、原因や責任の所在について2008年6月から調査してきた。

エコクリーンプラザみやざきの全景。欠陥が生じたのは写真右側の浸出水調整池で、地盤沈下によってプレキャスト製の水槽三つに亀裂が生じた(写真:宮崎県環境整備公社)
エコクリーンプラザみやざきの全景。欠陥が生じたのは写真右側の浸出水調整池で、地盤沈下によってプレキャスト製の水槽三つに亀裂が生じた(写真:宮崎県環境整備公社)

 外部調査委員会は、発注者の宮崎県環境整備公社が設計や施工、検査の各段階で適正に対処していなかったと指摘。例えば設計の業務委託では、成果品が完成していない状態で検査し、合格の判定を下して対価を支払っていた。調整池の盛り土の工事でも、中間検査や完成検査を実施していなかった。

 設計は建設コンサルタントの日本技術開発が担当。設計にも相次いで不備が見つかった。例えば基礎の工法検討では、スレーキングで泥岩が崩れる可能性をわかっていたにもかかわらず、スレーキングに対応する計算をしていなかった。

 さらに調整池の安定性を確かめる照査では、規模の大きい構造物で漏水が一切許されないにもかかわらず、基準に(社)日本建築学会の「建築基礎構造設計指針」を用いるなど慎重さを欠いていた。

 三井住友建設・吉原建設・竹盛工務店特定JV(共同企業体)が施工した盛り土の工事も、施工不良の可能性を否定できないと指摘した。例えば、工事仕様書にある段切りを実施したか否かが、施工写真からは確認できなかった。

 しかも、2005年に第3水槽の補強工事のために掘削したところ、盛り土にスレーキングや土のう、木の根などが混入しているのが見つかった。2008年10月の地質調査でも、盛り土材の不均質が指摘された。

 最終報告に当たって野崎委員長は、調整池の欠陥は発注者と設計者、施工者の3者の問題が複合的に絡んで起こったと説明。設計から施工、検査までのいずれかの段階で適切に対応していれば、欠陥が生じることはなかったとした。

 ただし、外部調査委員会は任意の資料提出などに基づいて調べたので、事実関係の解明と事実に基づく責任の所在までしか言及していない。このため最終報告には、3者の具体的な責任の割合や個人の責任について盛り込んでいない。