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 青森県にある国立公園の奥入瀬(おいらせ)渓流付近で、落ちてきたブナの枯れ枝に当たって下半身まひになった女性と、その夫が、県と国に合計約2億3000万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁判所は2月5日、県と国の上告を棄却する決定をした。県と国に合計約1億9300万円の賠償を命じた2審の東京高等裁判所の判決が確定した。

 裁判では、(1)自然に生えた木の管理責任が県と国にあるかどうか、(2)枯れ枝の落下を予見できたかどうか――が焦点となった。

 1審の東京地方裁判所と2審の東京高等裁判所は、ともに県と国の責任を認めて、女性らに損害賠償の支払いを命じる判決を下した。1審が命じた賠償額は計約1億4800万円だったが、2審では「女性は理学博士で将来、高収入を得られた可能性が高い」として賠償額を積み増した。

 1審の判決を受けて、日経コンストラクションが2006年5月26日号にまとめた記事を基に、事故の経緯や裁判所の判断を振り返る。


女性に直撃したブナの枯れ枝。長さが約7m、直径が18~41cmあった (写真:原告側代理人の御器谷修弁護士)

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