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 長野県は、世界貿易機関(WTO)の政府調達協定の対象となる予定価格26億3000万円以上の大型工事の入札に、共同企業体(JV)の参加だけを認める方針を決めた。2009年末ごろに入札を予定する浅川ダム本体工事で、県内の建設会社の受注機会を確保するのがねらいだ。

 2月4日に開いた県の公共工事入札等検討委員会(委員長:信州大学経済学部の又坂常人教授)で、県がこの方針を提案して、了承された。

 長野県は、県外の建設会社が2億円以上の工事を落札した場合、契約額の20~40%を県内の建設会社に下請け発注するよう求めている。しかし、WTOの対象となる工事では、下請けの義務付けや入札に参加する建設会社の地域要件を設定することができない。

 浅川ダム本体工事の工事費は約100億円。県外にある大手の建設会社が単独で落札する可能性があった。

 長野県はJVに限ることで、県外と県内の建設会社がJVを組んで入札に参加できるようにする。ただし、県外の建設会社同士がJVを組んで入札に参加することも可能。同県建設部技術管理室では、「過去の入札結果を分析すると、県外と県内の建設会社がJVを組む可能性が高い」と期待している。

 浅川ダムをめぐっては、2000年7月に県外と県内の建設会社が組んだJVが本体工事を落札した。ところが、当時の田中康夫知事が「脱ダム」宣言をしたことで、県はJVとの契約を解除。さらに、当時の県の公共工事入札等適正化委員会は2003年1月、同工事の入札で談合があったと認める報告書をまとめた。

 公共工事入札等適正化委員会は同時に、入札改革を進めるなかで「一定規模以上の大型工事はJVの結成を要件にしない」と県に答申。長野県で2003年以降、WTOの対象となる大型工事がなかったこともあり、JV結成の義務付けは事実上、廃止となっていた。

 2月4日の公共工事入札等検討委員会では、JVの“復活”に委員から慎重な意見が出た。しかし、県は「いまは一般競争入札で実施しており、指名競争入札が主だった当時とは状況が異なる」と説明。委員に理解を求めた。