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 東日本旅客鉄道と鉄建は共同で、鉄道の営業路線下などで、安全にアンダーパスを構築する工法を開発した。地盤内に混入しているコンクリートのがらや玉石などの支障物に影響を受けず、地表面の変状を抑えて掘進できる。

 以前に両社が共同で開発したHEP&JES工法を改良した。HEP&JES工法は、地盤に挿入する小断面の鋼製エレメントをPC鋼材とけん引装置で引っ張り、掘進したエレメントを連結してアンダーパスの外周部を構築する工法だ。鋼製エレメントの中から人力や機械で掘削する。

 改良した工法では、鋼製エレメントの刃口の前方にワイヤを取り付けた。ワイヤで地山や支障物を切削しながら刃口を挿入するので、先行掘削の際に切り羽崩壊が起きる危険性は少なくなる。

 そのため、鋼製エレメントにかかる力を抑えることができ、従来工法で1mだったエレメント幅を、2.4~2.5mへと拡幅することが可能になった。アンダーパスの構築に必要なエレメントの本数が減るので、工期短縮や工費削減につながる。


 ワイヤを使わない従来工法は、刃口で支障物を地中に押し込んでしまい、地表面が変状する恐れがあった。そのほか、先端の刃口内から支障物を取り除こうとすると、空洞が生じて地盤が沈下する恐れもあった。

 土かぶりが比較的小さい場所での上床エレメント部の施工は、地表面に及ぼす影響が大きく、列車の運行終了後の夜間でなければできないことが多かった。工期が長引き、工費が増大する原因の一つとなっていた。

 東日本旅客鉄道と鉄建は2月3日、千葉県成田市にある鉄建の建設技術総合センター構内で、実物大規模の実証実験を実施。土かぶり1mの条件で、発進たて坑と到達たて坑の間の20mの距離を、幅約2.5m、高さ0.85mの鋼製エレメントで掘進した。1時間当たり1mの掘進速度で、地表面の変位を1mm前後に抑えられることを確認した。

実証実験で使用した鋼製エレメント。刃口の前方にワイヤが見える(写真:鉄建)
実証実験で使用した鋼製エレメント。刃口の前方にワイヤが見える(写真:鉄建)