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 国土交通省が調査・設計業務の総合評価落札方式で試験的に導入した手間やコストの低減策が、入札参加者に不評だったことが同省のアンケート調査で分かった。9月24日に開催した「調査・設計等分野における品質確保に関する懇談会」(座長:小沢一雅東京大学大学院教授)で明らかになった。

 調査や設計などの業務で総合評価落札方式が大幅に増加したことに伴い、受発注者双方で時間や手間、費用などの負担が増えていることが問題になっている。そこで、国交省は手続きの効率化策として、指名者数の絞り込みとヒアリングの省略、手続き期間の短縮の三つを試行した。

 入札後、それらの案件にかかわった発注者と入札参加者の双方にアンケート調査を実施した。その結果、発注者の間では効率化の効果を評価する声が多かったのに対して、入札参加者からは否定的な意見が多数を占めた。

指名先の5者絞り込みに対する回答
(資料:国土交通省)

 試行案件では、通常は10者程度としている指名競争入札への指名者数を、5者に減らした。技術提案書の提出者数を削減することで、受発注者の手間を軽減するのが目的だ。技術提案書の作成に費やした時間と費用、手間がそれぞれ少なくなったと思うかどうかを尋ねたところ、発注者はいずれの質問でも「そう思う」との回答が「そう思わない」を上回った。一方、入札参加者の回答は「そう思わない」がいずれも半数を超えた。

 指名者数の絞り込みに対しては、実績重視になって指名される会社が固定化されるとの見方が入札参加者側には強い。24日の懇談会では、全国測量設計業協会連合会と全国地質調査業協会連合会から参加したそれぞれの委員がいずれも、「小規模な会社が受注機会を失い、経営が成り立たなくなる。慎重に対応してほしい」と要望した。国交省では当面、現行どおりに10者程度の指名を続ける方針だ。

 一方、ヒアリングの省略に関しては、全体的に効果があったと思うとの回答が多かった。ただし、効果があったと思わないとの回答は、発注者よりも入札参加者の方に多かった。

 手続き期間の短縮に関しては、効果があったとは思わないとの回答が、入札参加者の半数近くに上った。技術提案書の作成期間が短縮されると、十分な提案ができないとの意見が多数を占めた。