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 連続立体交差事業で、すり付け区間として使っていたRC(鉄筋コンクリート)ラーメン高架橋の床版をジャッキアップし、新設する高架橋に接続する。ジャッキアップの前に柱を上下に分断して縁を切り、ジャッキアップ後に柱の高さを継ぎ足した。

高架橋の床版を約50分間かけて、高さ15cm分ジャッキアップする。1日当たり3サイクルほど繰り返した。写真左端に見えるのは、近接している仮線の高架橋(写真:大村 拓也)
高架橋の床版を約50分間かけて、高さ15cm分ジャッキアップする。1日当たり3サイクルほど繰り返した。写真左端に見えるのは、近接している仮線の高架橋(写真:大村 拓也)

 準備完了を示す白い旗が4カ所に掲げられると、合図と同時にジャッキアップ作業が始まった。RCラーメン高架橋が徐々に上昇していく。

 東京都稲城市内のJR南武線の高架橋工事では、立体区間と地上区間を結ぶすり付け区間の高架橋を上昇させて、立体区間を延長している。

 JR南武線の長さ約4.3kmの区間を立体化する事業だ。そのうち、川崎側の長さ約1.9kmの第一期区間は、2005年10月に立体化が完了。現在、工事を進めているのは、東京・立川側の第二期区間だ。

●段階施工の概要

 「まちづくりに合わせて、事業の効果を早期に発現するため、第一期区間を1997年に着工した。第一期区間の立体化で、15カ所の踏切のうち8カ所を先に解消できた」と、JR東日本東京工事事務所中央課稲城長沼高架グループリーダーの大久保啓一副課長は説明する。第二期区間は06年3月に着工。14年春に残りの踏切を廃止する予定だ。

 すり付け区間の高架橋は、09年10月まで供用していた。現在、列車は隣接する仮設高架橋を走行している。このような工事では、すり付け区間の高架橋を一度撤去し、新たな高架橋を構築するのが一般的だ。

 対して、JR東日本が開発し、この現場で初採用した「高架橋柱継ぎ足し工法」は、これらの工事をなくした。工期や工事コストを圧縮できると、同社はみている。

 高架橋柱継ぎ足し工法では、柱を上下に分断できるように、あらかじめ「壊しやすい」構造にしておく。分断してから床版をジャッキアップ後、分断した柱をRC構造で継ぎ足す。

 ジャッキアップ中のラーメン高架橋の8本の柱は、途中のコンクリートがはつり取られ、主鉄筋はむき出し。主鉄筋も基礎側と床版側とで互い違いに並び、縁が切れている。総重量685tの床版は基礎から浮いた状態だ。柱の間に並ぶ4カ所の横梁を、架台上に設けた油圧ジャッキで支えている。

[現場概要]
●名称=南武線稲城長沼駅付近4工区高架橋新設他1
●施工場所=東京都稲城市矢野口~東長沼
●発注者=JR東日本東京工事事務所
●設計者=日本交通技術
●施工者=東急建設・大豊建設JV(現場代理人:高橋英夫、元請けの技術者数:10人)
●主な専門工事会社=宮地建設工業(ジャッキアップ)、森建設(高架橋構築)
●工期=2008年10月~12年2月
●工費=非公表
●入札方式=非公表
●予定価格=非公表