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 技術力を評価する指標の一つとして、CPDS(継続学習制度)への取り組みを総合評価落札方式の加点対象とする自治体が増えてきました。このCPDSの扱いや運用に対し、二つの意見を取り上げます。一つは、単位の取得や証明書発行などの費用負担が重く、講習会の内容にも疑問を感じるといった指摘です。もう一つは、この指摘に対するCPDSの実施機関からの説明です。必ずしも高額の負担ではないとし、講習については「厳格に運用する方向で検討したい」と述べています。日経コンストラクション12月10日号と24日号の読者意見欄にそれぞれ寄せられたものです。

 これら二つの投稿をお読みになった皆様の感想をお待ちしています。末尾のコメント欄にご記入いただき、編集部までお寄せください。(編集部)


 総合評価落札方式で加点対象になる全国土木施工管理技士会連合会の継続学習制度(CPDS)に取り組む企業が増えている。土木施工管理技士が自身の技術力を維持しておくことは必要だと思うが、この制度が受注を大きく左右することで様々な負担を強いられている。

 CPDSでは、連合会への登録時や証明書の発行時などに所定の料金を支払う。私が所属する会社では、CPDSの利用者が20人ほどいるので、こうした費用だけでもかなりの額になる。1年間当たりの推奨取得単位が設定されており、費用負担は延々と続く。

 入札時に複数の配置予定技術者を登録しておきたいこともよくあるが、その場合は、証明書の発行などに人数分の料金が掛かる。

 入札が決まって証明書がすぐに必要になることもよくある。私の経験では、その発行には長い場合、申請から1カ月を要している。急いで発行してもらうには、通常料金とは別に「特急料金」を支払わなければならない。工事の受注が掛かっているので、CPDSへの支払いは続けざるを得ないが、これらの費用はばかにならない。

 また、単位を取得するための講習会についても費用負担が大きい。そのうえ、内容やシステムに疑問を感じることがある。

 例えば、メーカーなどが開催するセミナーに連合会からCPDSの単位を取得できる講習として認定を受けたものがあるが、そのなかには、施工管理ツールなど、自社製品の宣伝を兼ねた内容も多々ある。本当に技術者の継続学習に必要な講習なのかと理解に苦しむことがよくあるが、こういった講習に受講者が殺到している。

 1時間で1単位という講習が多いなか、国土交通大臣の登録を受けた監理技術者講習では、6時間受講して12単位と、効率的に単位を取れる。これを狙って、通常なら5年に1回の受講でよい監理技術者講習を毎年、受講している会社もある。

 主催者がCPDSの認定を受けていない講習でも、内容によっては受講者が連合会に申請すれば認定してもらうこともできる。しかし、認定するか否かの基準の詳細がよく分からず、せっかく受講しても単位として認められないことがある。

 私は、CPDSの認定に多大な費用が発生するのがいかがなものかと思うと同時に、疑問点の多いこのような制度を総合評価の加点対象にするのは時期尚早だと考える。CPDSの実績に何点も加点する県もあるが、金額に換算するとかなりの額であり、配点が大きい。今からでも遅くないので見直しをお願いしたい。

 匿名希望(44、建設会社勤務)


「監理技術者講習は厳格な運用を目指す」 ~上記の指摘に対して~

 日経コンストラクション12月10日号の投稿で全国土木施工管理技士会連合会の継続学習制度(CPDS)についてのご意見があったので、実施機関から説明をさせていただきたい。

 CPDSの加入後の料金は、技士会員でない場合、講習会などの履歴登録が1回500円、過去の累計履歴の証明書の電子ファイル発行が1500円(複数枚の印刷が可能)だ。年間20ユニットを取得するのに掛かるCPDSの費用は、例えば講習会4回で取得すると仮定すると、500円×4回と1500円で計3500円。ほかに、講習会費用が1回7000円とすれば2万8000円掛かる。

 これらの費用は、社員一人当たりの年間売り上げが3000万円の会社なら、その額に対して約0.1%程度だ。講習会に代えて社内研修や論文作成などで取得するのであれば、より安価に収まる。なお、来年度は社内研修手数料など一部の料金を下げる予定だ。

 監理技術者講習が優遇されているので毎年受講する例があることは以前から聞いており、今後は「5年に1回」を厳格に運用する方向で検討したい。また学習プログラムについては、手続きどおりに問い合わせがあれば、CPDSに認定されているものかどうかを事前に答えている。

 受注するために何が何でもユニット取得をという気持ちは分からないでもない。しかし、それだけではCPDSは重荷以外の何ものでもない。CPDSの本来の目的の一つである自身の技術力向上を実現するものと考えて、取り組んでもらえればと思う。

猪熊 明(全国土木施工管理技士会連合会)