PR

 西松建設は、横浜国立大学の細田暁准教授らが開発した表面吸水試験方法を使って、コンクリート表層の品質を定量的に評価する手法の有効性を実証した。かぶりコンクリートの吸水量と吸水速度の時間変化を測定することによって、表層の緻密性を評価できる。施工中の構造物で実証試験を実施した。

コンクリートの表面に設置した試験機(写真:西松建設)
コンクリートの表面に設置した試験機(写真:西松建設)

 試験機は、外径10cm、厚さ3cmの吸水カップと固定装置からなる。吸水カップは、コンクリートに接して吸水する部分と、水頭を作用させて吸水量の変化をみる内径8mm、高さ30cmのシリンダー部で構成。固定装置は真空ポンプで圧着させる。非破壊で試験を実施するので、新設の構造物でも採用できる。

 試験方法は次のとおり非常に簡便だ。まずコンクリートの表面に固定装置を圧着後、吸水カップを固定ネジで密着させる。次にシリンダー部に水頭30cmまで注水してから、1分ごとに水位の低下量を計る。自動計測・記録のシステムや5秒程度で注水できる治具も開発済みだ。

表面吸水試験の実施状況。試験機の設置も試験手順も簡便な方法とした(写真:西松建設)
表面吸水試験の実施状況。試験機の設置も試験手順も簡便な方法とした(写真:西松建設)

 吸水速度が小さいほどコンクリートが緻密であることを表す。実証試験は、施工中の下水道の沈殿池で実施。標準配合は高炉セメントB種だが、水密性が要求される監査廊周辺の壁にはひび割れ対策として低熱セメントを採用した。両者の吸水速度は、低熱セメントを使った壁が高炉セメントを使った壁の約2分の1であることが分かった。

 また、標準配合の壁で型枠を外した後に4週間の追加養生をした場合の効果も確かめた。追加養生しなかった壁に比べ、吸水速度が3分の1から5分の1まで減少しており、表層の品質が向上したことが定量的に分かった。

 同社は今後、この試験方法を工法開発や現場の施工管理に役立てるとともに、入札時の技術提案などに活用していく考えだ。


<訂正>初出時に、表面吸水試験方法の開発に西松建設が携わっているとしていましたが、誤りでした。それに伴い記事タイトルと文中の表記を訂正しました。(2012年1月31日16時40分)