PR

 シンガポールの次世代電力インフラプロジェクトの一環として発注された超高圧送電線ケーブル用シールドトンネル工事(全6工区)で、大林組と、西松建設が幹事会社となるJVが1工区ずつ受注した。大林組は9月27日に、西松建設は同18日に、それぞれ発表した。

 このプロジェクトは、既存の地下送電線網の老朽化に伴い、シンガポール電力が南北方向と東西方向に走る総延長35kmの超高圧送電線ケーブル用シールドトンネルを整備するもの。南北方向はガンバスからメイ通りまでの延長18.5km、東西方向はアヤラジャからパヤレバ通りまでの同16.5kmで、総事業費は約1250億円(1シンガポールドル=62.64円換算、以下も同じ)だ。2018年の完成を目指す。

 全体を六つの工区に分け、シンガポール電力の子会社であるシンガポールパワーアセットが発注した。大林組と西松建設JVが受注した工区以外の4工区は、現代建設とサムスン物産、SKエンジニアリング・アンド・コンストラクションの韓国勢3社が受注した。

シンガポール電力が整備する超高圧送電線ケーブル用シールドトンネルの経路と大林組が受注した「EW1工区」の位置(資料:大林組)
シンガポール電力が整備する超高圧送電線ケーブル用シールドトンネルの経路と大林組が受注した「EW1工区」の位置(資料:大林組)

 大林組が受注したのは東西方向のトンネルのうち、シンガポール西部の延長4km分の「EW1工区」。アヤラジャからホランドまでのシールドトンネル工事のほか、深度48 〜66.2mのたて坑を三つ構築する工事、3カ所に建屋を設ける工事、電気や照明、換気システムの整備を担当する。同社が設計・施工一括(高圧ケーブルの敷設工事などを除く)で単独受注した。契約額は約143億円で、工期は12年10月〜16年11月だ。

大林組が受注したケーブルトンネル(東西線EW1工区)の完成予想図と断面図(資料:シンガポールパワーアセット)
大林組が受注したケーブルトンネル(東西線EW1工区)の完成予想図と断面図(資料:シンガポールパワーアセット)

 一方、西松建設は現地企業のKTCシビル・エンジニアリング・アンド・コンストラクションとJVを結成し、東西トンネルのうち、東部の延長約5.4km分を築く「EW3工区」を約162億円で受注した。

 メイ通り─パヤレバ通り間で仕上がり内径6mのシールドトンネルを造る工事のほか、3カ所に仕上がり内径12 〜14m、深度27.1 〜60.2mのたて坑を構築する工事、設備ビルや換気ビルといった建屋を建設する工事などを担当する。工期は12年9月〜17年4月。

 このプロジェクトで構築するシールドトンネルは、カーブの半径が75mと比較的小さい。また、北部の地下には温泉源があるなど、施工には高い技術力が求められる。

 プロジェクトの完了後は、電力ケーブルの維持管理や交換作業が効率化でき、保守関連工事が市民生活や経済に与える影響を最小限に抑えられるようになる。