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 栃木県は今後、年間300万円程度かかっていた県営寺山ダムの電気料を負担しなくて済む。県職員が同ダム設備の管理を「ゼロ円」で民間企業に委託する事業の仕組みを考え、県は事業者を日本工営に決定したと10月5日に発表した。

寺山ダム。センターコア型ロックフィルダム。堤高62.6m、堤頂長260m。有効貯水容量215万5000m3(写真:栃木県)
寺山ダム。センターコア型ロックフィルダム。堤高62.6m、堤頂長260m。有効貯水容量215万5000m3(写真:栃木県)

 県が導入するのは、ESCO(エスコ)と呼ぶ省エネルギー支援サービス事業。施設の省エネルギーサービスを提供した事業者が、得られた効果の一部を報酬として受け取るものだ。施設の管理者にとっても、エネルギーコストを削減できるメリットがある。ただし、エネルギーを使う以上、費用負担がゼロになるわけではない。

 ところが、県が管理する寺山ダムで導入するESCO事業は、県に費用負担が掛からないゼロ予算事業だ。初期投資だけでなく、民間事業者との契約期間中の費用が全く掛からない。事業の仕組みも、業務委託せずに県職員自らが設計した。

 寺山ダムのESCO事業がゼロ予算になったからくりは、ESCO事業に併せてダムに小水力発電設備を導入したことにある。

 7月から始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度では、小水力で生み出した電力が20年間、1kWh当たり35.7円の固定価格で売れる。この小水力発電で得る売電収入を、民間事業者が負担するダム管理のための電気使用料や発電機の設置費用などに回すことで、県の費用負担をゼロにできた。契約期間後は売電収入が全額、県に入る。