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 会計検査院が18都道府県の下水処理場を検査したところ、662施設のうちの89施設で設備が過剰だったうえ、その中の56施設は整備後1年間が経過しても稼働した実績がないことがわかった。汚水量などを過大に見積もっていたことが要因で、会計検査院は国土交通大臣に対して、適切な整備を事業主体に周知徹底するよう、10月15日付で改善を求めた。

 下水処理場の最初沈殿池や反応タンク、最終沈殿池など、662施設の稼働状況や整備状況を検査した。いずれも、1998年度から2010年度末までの間に、東京都や北海道、京都府や大阪府のほか、栃木、神奈川、石川、福井、長野、愛知、三重、島根、岡山、高知、福岡、佐賀、宮崎、沖縄の各県管内の361事業主体が国の補助事業で整備したもの。

●過剰な下水道施設と事業主体の数
2010年度末時点の数(資料:下も会計検査院)
2010年度末時点の数(資料:下も会計検査院)

 これらの施設の整備に当たっては、「下水道施設計画・設計指針と解説」(社団法人日本下水道協会編)に準拠して1日当たりの最大の汚水量を算定。必要な処理能力や建設する時期などを決めている。

 汚水量の算出には、下水道の対象区域の定住人口や下水道への接続率などから求める方法や、過去の実績を統計処理して算定する方法がある。ただし、いずれも雨による浸水の影響は考慮しない。

 さらに、施設の整備に当たっては、流入する汚水量の伸びに応じて段階的に施工するよう同指針では要求。特に、機械や電気の設備の耐用年数はコンクリート製の躯体と較べて半分以下なので、設置する時期などを適切に決めてから整備することが重要だとしている。