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 会計検査院は2011年度の決算検査報告で、国土交通省関東地方整備局の二つの事務所が発注した業務に重複した部分があったと指摘した。首都国道事務所が拡幅工事に伴って耐震設計を終えた橋を、東京国道事務所が耐震対策の一環で再び照査・設計していた。

 国道357号に架かる「荒川河口橋右岸高架橋(海側)」の耐震設計などが重複した。同橋は新木場交差点に接続する長さ193.9mの橋で、幅員は7.5~9.5m。1995年に建設した。この橋の修繕工事などは同整備局の東京国道事務所が、新設工事については首都国道事務所がそれぞれ担当している。

 東京国道事務所は2008年9月、国道357号に架かる橋に耐震対策を講じる一環で、荒川河口橋右岸高架橋(海側)を含む既設の7橋を対象に耐震補強の設計業務などを発注した。同業務は5418万円でオリエンタルコンサルタンツが受注。荒川河口橋右岸高架橋(海側)については5基の橋脚の耐震性能を照査し、このうちの2基は補強のための詳細設計も実施した。

 さらに同事務所は10年7月、同高架橋を含む4橋の落橋防止装置を設計する業務を発注。6174万円で受注した八千代エンジニヤリングが、落橋防止装置の概略設計などを実施した。

 会計検査院が検査すると、東京国道事務所が発注した荒川河口橋右岸高架橋(海側)に関する業務は、首都国道事務所が実施した設計などと重複していることがわかった。

 連続立体交差化の事業の一環で同高架橋を拡幅することになり、首都国道事務所は2006年度から07年度にかけて同橋の設計業務を発注した。この業務の中で耐震性能などを照査したうえで、耐震補強と落橋防止装置の設計をすでに行っていた。

 首都国道事務所は、拡幅工事を実施するのに先立って東京国道事務所と協議。設計図などの資料を添付した協議書を08年2月に東京国道事務所に提出していた。

 ところが、東京国道事務所は同年5月、重複に気づかないまま拡幅工事の内容を了解する旨を首都国道事務所に回答した。東京国道事務所が荒川河口橋右岸高架橋(海側)の耐震補強の設計業務を契約した08年9月には、同高架橋で拡幅工事が始まっていたという。

 結果、東京国道事務所が発注した業務の一部が重複。会計検査院は、合計1億1592万円の業務のうち、同高架橋に関連する634万5136円が不当な支出だとした。