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 内閣府行政刷新会議は11月16日に開催した事業仕分けで、国土交通省などが2013年度に東日本大震災復興特別会計(復興特会)で行う方針の防災事業が妥当かどうかを議論した。民間有識者中心の“仕分け人”(評価者)が、東日本大震災の前から一般会計予算で実施されてきた事業が含まれていることを批判し、震災とのかかわりが明確な事業に絞り込むよう注文を付けた。

内閣府行政刷新会議が11月16日に開いた事業仕分けの会場。手前に各省の担当者、左奥に “仕分け人”を務める民間有識者、右奥に岡田副総理などの席がある。副総理は、衆議院が解散される本会議に出席するため途中退席した(写真:ケンプラッツ)
内閣府行政刷新会議が11月16日に開いた事業仕分けの会場。手前に各省の担当者、左奥に “仕分け人”を務める民間有識者、右奥に岡田副総理などの席がある。副総理は、衆議院が解散される本会議に出席するため途中退席した(写真:ケンプラッツ)

 今回の仕分けは11月16日から18日まで開催し、13年度予算の概算要求のうち震災復興、社会保障、環境対策などの事業について議論する。建設関連では、復興特会による全国防災事業や既存住宅の省エネリフォーム補助事業などを対象とした。全国防災事業は、河川の津波対策、道路の震災対策といったインフラ関連や、庁舎、校舎の耐震化事業などに分かれている。

 16日午後2時過ぎに始まった全国防災事業の仕分けではまず、国交省の担当者が13年度予算に要求している河川、道路、港湾関連の防災事業の概要を説明した。東日本大震災の被災地以外で行おうとする事業に対しては、仕分け人や岡田克也副総理などから、「一般会計でできるのではないか」、「今回の震災で得た教訓を生かせる事業なのか」などと問う声が相次いだ。農林水産省の担当者が、内陸部の森林を対象とする森林整備事業に復興特会を使うことの説明で、震災の際に防潮林が津波の勢いを緩和したことに触れて、「森林整備事業は沿岸部で行うのか」と問い詰められる一幕もあった。

 インフラや森林関連の防災事業に対する仕分けの評価結果は、「東日本大震災の教訓をもとに津波に対する課題への対応の必要性が新たに認識されたものや緊急性、即効性が極めて高いものに限り、例外的に復興特別会計での計上を認める」となった。

 庁舎や校舎などの耐震化事業の仕分けでも、仕分け人から「もともと一般会計でやってきた事業を加速するためだけに復興特会を使うのは適切なのか」といった疑問が投げ掛けられた。ただ、子どもが利用する校舎の耐震化などは緊急性が強いとして、復興事業として「加速」することを容認する声も出た。

 仕分けでは、「震災時に避難所として機能し、子どもの安全確保に関わる施設の緊急耐震化等の一定の条件に該当するものに限り、絞り込んだうえで復興特別会計で対応することを基本的な考え方とする」との評価結果になった。