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 沖縄県発注の識名トンネル(那覇市)の補助金不正問題で、住民グループが12月20日、県を相手取って那覇地方裁判所に訴訟を起こした。県に対し、3月に国に返還した約5億8000万円のうち利息分の約7200万円を、県知事と県職員、トンネル施工者の大成建設・仲本工業・内間土建JVに連帯して負担させるよう請求した。

 識名トンネルは国からの補助を受けて2010年10月に完成したが、11年になって会計検査院の検査報告を皮切りに、工事の一部で県と大成建設JVとの契約内容が実態と異なっていたことが判明した。県は12年3月に内閣府沖縄総合事務局の命令を受けて、虚偽の契約で行った工事に対する補助金とその利息を合計した約5億8000万円を国に返還した。今回の訴状は、県がこの返還手続きで県議会の承認を受けなかったとしている。

 住民グループは12年9月、虚偽の契約で県が受けた損害に対して県知事と担当職員が賠償し、大成JVも工事代金の一部を返還すべきだと主張して、県監査委員に監査を請求した。監査委員は住民グループの主張の一部を認めて、11月に県に対し補助金不正問題を改めて調査するよう勧告した。しかし住民グループは、勧告が知事、職員、大成JVの各責任を明確にせず不十分だとして、今回の提訴に至った。

 会計検査院の報告などによると、大成JVはトンネルの本体工事を落札率約47%で受注した後に追加工事が必要になると、この落札率を反映した金額で契約するのを拒否し、県と虚偽の契約を締結した。訴状は大成JVがこの契約で「不当利得」を得たと批判している。