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 環境省が発注した福島県内の除染工事の一部が適正に行われていない問題で、同省は1月15日、各受注者からの報告書を公表した。田村市で本格除染を担当している鹿島・三井住友建設・日立プラントテクノロジーJVが、作業員の一部が汚泥を川に流していたと認めた。

 環境省が放射性物質汚染対処特別措置法(以下、特措法)に基づいて発注し、現在進行中の福島県内の除染工事は、先行除染4件、本格除染4件の計8件だ。このうち1月上旬時点で現場作業に未着手だった大熊町の先行除染を除く7件の受注者が、これまでの作業で汚染土や汚染水の不適正な処理があったかどうかを調査して1月11日付で同省に報告した。楢葉町で本格除染を担当している前田建設工業・鴻池組・大日本土木JVと、飯舘村で本格除染を行っている大成建設・熊谷組・東急建設JVは、調査の指示を受けた際に報告していた汚染水の一部未回収を、報告書の中で改めて認めた。

 このほかに鹿島JVの報告書は、作業員の一部が工期の初期に、長靴、ちり取り、熊手に付いた汚泥を川の浅瀬で洗い流していたことを認めた。作業員を教育して既にやめさせたとしているが、川に流した汚泥をどうしたかは記していない。長靴に付いた汚泥を側溝に垂れ流していた作業員がいると外部から指摘を受けたことに対しては、行為自体は否定しなかった。ただし、同JVの作業員は長靴などを洗う前にスクリーニング(汚染検査)を受けて、放射線量が電離放射線障害防止規則41条の定める基準値(4ベクレル/cm2)以下であることを確認しているので問題はないと主張した。

 環境省除染チームによると、鹿島JVが掲げた線量の基準値は本来、原子力発電所の従業員などが対象で、除染電離則が定める除染作業員向けの基準値に比べると約10分の1の厳しい数値だ。除染チームは、「問題はない」という同JVの主張を容認するかどうかについては、「調査中」としている。不適正な行為を認めた3JVに特措法に基づく罰則を適用するかについても、「検討中」と明言を避けた。