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写真集「現場紀信」―東京ゲートブリッジ―より(写真:篠山紀信)
写真集「現場紀信」―東京ゲートブリッジ―より(写真:篠山紀信)

 この取材が「現場紀信」の2回目の取材だった。土木現場など撮ったことの無い僕には、何にもかも初体験で、最初の頃は一体どんなものが撮れるのか不安だった。

 まず、被写体のスケールの大きさ。作業する人が豆粒のように見え、あまりの巨大さに日々撮影している人や物に対してとはまったく違った距離感を持たなければ、この現場に対峙できない。

 だが、怯えている暇はない。写真は常に一期一会。予断や偏見を棄て、真摯に対象に向き合わねばならない。

 と思うと、いろいろなものが新鮮に見えてきた。吊り上げられた鋼製トラス桁が曇り空に映え、幾何学模様が様々に変化して美しい。

 ものをつくる現場は、逞しくエネルギーに満ちあふれ、海上に映える3基の屹立(きつりつ)するクレーンがなにか色っぽくさえ思えてくる。

 揺れる海上で地上約15mまで吊り上げて、数センチの誤差もなくぴったりと決める技術力には、まさに壮大なマジックを見ているような驚きがあった。

篠山紀信


写真集「現場紀信」―東京ゲートブリッジ―より(写真:篠山紀信)
写真集「現場紀信」―東京ゲートブリッジ―より(写真:篠山紀信)

■東京ゲートブリッジ
東京・江東区の若洲と中央防波堤外側埋め立て地を結ぶ橋長2618mの連続トラス橋。延長760mの主橋梁部は、トラスと箱桁を一体化した鋼3径間連続トラスボックス複合構造を採用した。両側の下部トラスは地上で組み立て、台船で現地まで運搬。日本最大級の起重機船3隻で相吊りして、それぞれ架設した。2012年2月12日に供用開始

■写真集「現場紀信」概要

 日経コンストラクションで2010年4月から始めた不定期連載コラム「現場紀信」をベースにした写真集で、本誌未掲載のカットを含めた13現場、約90点の写真と、篠山氏の書き下ろしによる10,000字を超える撮影記を収録。アートディレクターは奥村靫正氏(TSTJ Inc.)。

著者:篠山紀信
アートディレクター/ブックデザイナー:奥村靫正(TSTJ Inc.)
判型:B5変型判
ページ数:168ページ
ISBN:978-4-8222-6643-1
定価:2940円(税込み)
発行日:2012年12月25日
発行元:日経BP社
URL:http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/books/ncr/20121211/595229/