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 戸田建設は特種東海製紙と共同で、一度除染した土壌の汚染を防ぐ技術の実証試験を行い、効果を確認した。新開発の除染シートを埋めて使う。原発事故の現場で住宅地や農地を先行して除染した自治体に提案していく。

 東日本大震災による原発事故の近隣地域では、住宅地など生活圏の除染が済んでも、周囲の森林や河川は手付かずになっている場合がある。戸田建設は、大雨によって未除染の森林などから運ばれたと推定される放射性物質で、除染済みの地域の放射線量が上がった事例を福島県内で確認した。除染後の地域が汚染されるのを防ぎたい自治体のニーズを見込んで、実証試験に着手した。

 同社が採用した除染シートは特種東海製紙が開発した「TT-除染シートSC」(拡散防止シート)で、放射性物質を吸着する鉱物のゼオライトと固着剤を不織布で挟んだ構造をしている。両社は大きさが100×60cm、厚さ3cmのシートを複数枚、除染済みの5×10mのエリアにわたって、表面が露出した状態で埋めた。

 約3カ月後に掘り出してシート表面の放射能濃度を測定すると、雨にぬれやすいところに埋めたものは周りの地表で測った数値の2倍程度になっていたため、シートが放射性物質を吸着して試験場所の放射能濃度を下げたと判断した。吸着効果は3~5年持つと見込んでいる。

 両社は流水中の放射性物質を吸着する「水フィルター」の試験を進めているほか、静水に置く「吸着パック」の試験も今後実施する。それぞれの効果を確認できれば、地上用の除染シートと併用する方針だ。

特種東海製紙が2012年10月に販売を開始した除染シート。同社と戸田建設が土壌の放射性物質による汚染を防ぐ効果を確認した(写真:戸田建設)
特種東海製紙が2012年10月に販売を開始した除染シート。同社と戸田建設が土壌の放射性物質による汚染を防ぐ効果を確認した(写真:戸田建設)

除染シートの構造(資料:特種東海製紙)
除染シートの構造(資料:特種東海製紙)

戸田建設は、地上では除染シート(拡散防止シート)、水中では水フィルターと吸着パックを用いて、一度除染した地域の水陸が汚染されるのを防ぐ工事の受注などを目指している(資料:特種東海製紙)
戸田建設は、地上では除染シート(拡散防止シート)、水中では水フィルターと吸着パックを用いて、一度除染した地域の水陸が汚染されるのを防ぐ工事の受注などを目指している(資料:特種東海製紙)