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 大阪府は2月12日、「木津川遊歩空間アイデアデザインコンペ(松島橋から大渉橋左岸)」の結果を公表した。最優秀デザインに選ばれたのは東京都の建築家、岩瀬諒子氏による提案「だんだんばたけでハマベをつくる―立売堀のマーケットプレイス―」。岩瀬氏は京都大学で都市環境工学を専攻した後、隈研吾建築都市設計事務所を経て、現在は慶応義塾大学でテクニカルアシスタントを務めている。

最優秀デザインに選定された岩瀬諒子氏の提案(資料:大阪府)
最優秀デザインに選定された岩瀬諒子氏の提案(資料:大阪府)

 コンペの対象となった場所は、大阪市内を流れる木津川で西区の松島橋から大渉橋に至る左岸。対象範囲は延長240mだ。岩瀬氏の提案は、この地が江戸時代に「材木浜」と呼ばれ物流の要所だった歴史に立脚し、往時の職住連帯的なコミュニケーションの場の再生を狙う試みだ。具体的には、河岸を“浜辺”と見立てたうえでひな段状の緑地帯やベンチなどを構築。これらを「川辺の“だんだんばたけ”」と位置付けて、新たな親水空間の創出を掲げている。

 府ではかねて、府民文化部都市魅力創造局文化課と西大阪治水事務所が連携して、木津川の遊歩道整備にデザインを重視した新たな公共事業実施体制づくりに取り組んできた。このコンペもそうした取り組みの一環で、2012年9月28日から10月23日までの募集期間に40件の提案が寄せられた。審査に当たったのは、篠原修東京大学名誉教授を委員長に、6人の専門家で構成するアイデア検証委員会。

 同検証委員会は12年10月30日に開催した一次審査会で5件の提案を選出し、それらを大阪市内の府立江之島文化芸術創造センターで一般に公開。さらに今年2月1日に同センターで提案者による公開プレゼンテーションを開催したうえで、最優秀デザインを選定した。選定理由としては、土地の歴史などを踏まえながら「浜辺」というキーワードに基づいて結実させたデザインの柔軟性や、「だんだんばたけ」で新たな交流拠点をつくるアイデアへの期待感といった点を挙げている。

 最優秀デザインの決定後、府は12年度中に実施設計の作業に着手。2月上旬時点で、13年度予算案に「木津川遊歩道整備」の項目として1億3500万円を盛り込んでいる。「予算案が認められれば、13年度中に着工したい」(文化課の担当者)。14年度以降は予算確保の状況にもよるが、15年度の完成を目指したい考えだ。

<訂正>初出時に「隈研吾都市建築設計事務所」と記述しましたが、「隈研吾建築都市設計事務所」に訂正します(2013年2月19日13時30分)

対象範囲の中ほどに位置する立売堀付近(資料:大阪府)
対象範囲の中ほどに位置する立売堀付近(資料:大阪府)

「だんだんばたけ」の意匠を取り入れた遊歩道の断面イメージ(資料:大阪府)
「だんだんばたけ」の意匠を取り入れた遊歩道の断面イメージ(資料:大阪府)

平面イメージの一部(資料:大阪府)
平面イメージの一部(資料:大阪府)