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 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東京電力は共同で、千葉県銚子市の沖合に完成した着床式大型洋上風力発電設備で3月4日から、実証試験のための運転を本格的に実施し始めた。沖合に着床式で設置する例としては、国内でも初めてという。

銚子市南方の沖合約3.1kmに完成した巨大な洋上風車。定格出力は2400kW。写真の左手奥に見えるのは、先行して昨年完成した風況観測タワー(写真:鹿島)
銚子市南方の沖合約3.1kmに完成した巨大な洋上風車。定格出力は2400kW。写真の左手奥に見えるのは、先行して昨年完成した風況観測タワー(写真:鹿島)

 設置箇所は銚子市南方の沖合約3.1kmの海域。発電設備を構成する洋上風車は1基。水深約11.9mの海底にケーソンタイプの鉄筋コンクリート(RC)製重力式基礎(直径21m)で据え付けられている。風車のローターは直径92m。平均海水面からローター先端の最大高さは126mで、ローターが鉛直下方向を向いた際の先端高さは海面から最低約32mと、巨大なサイズだ。風車の定格出力は2400kW。

洋上風車の基礎は、ケーソンタイプのRC製重力式。三角フラスコ形の形状で、より大きな波力が作用する海面付近が細くなっている。写真は建設中の基礎(写真:鹿島)
洋上風車の基礎は、ケーソンタイプのRC製重力式。三角フラスコ形の形状で、より大きな波力が作用する海面付近が細くなっている。写真は建設中の基礎(写真:鹿島)

基礎の運搬と据え付けでは、1600tの吊り上げ性能を持つ全旋回起重機船を使用した。基礎の重量は、中詰材投入前で2400t。半潜水状態で船体に固定することで、浮力を利用して運搬した。中詰材は銅水砕スラグで、投入後の基礎重量は5400tとなった(写真:鹿島)
基礎の運搬と据え付けでは、1600tの吊り上げ性能を持つ全旋回起重機船を使用した。基礎の重量は、中詰材投入前で2400t。半潜水状態で船体に固定することで、浮力を利用して運搬した。中詰材は銅水砕スラグで、投入後の基礎重量は5400tとなった(写真:鹿島)

 この洋上風車の建設工事は東京電力が発注し、鹿島が2010年12月~13年1月の工期で施工した。設計費や工事費を含む実証試験費用は約35億円。洋上風車の運用やメンテナンス、陸上への送電などに関する技術的ノウハウを蓄積することが狙いで、環境影響調査なども実施する。洋上に建設する大規模風力発電施設の普及に向けた前提となる技術確立を目指す。