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圧縮強度は今も増加

 竣工時から箱桁内で外気に暴露していたダクタル供試体を取り出して、圧縮強度と曲げ強度を測ったところ、圧縮強度は10年間にわたって増加する傾向にあった。ダクタルの内部には、今も未水和セメントの粒子が多く存在しており、竣工後もそのセメントが徐々に反応している。

 電子顕微鏡を使って供試体の断面を観察したところ、未水和セメントの含有率は19.9%、空隙率は5.7%だった。水セメント比60%程度の一般的なコンクリート構造物は、もともと体積当たりのセメント量が少なく、しかも短期間で水和が進んでいると考えられる。そのため、未水和セメント量は極めて少なく、長期的な強度増進効果はあまり期待できない。

■暴露供試体の圧縮強度の変化
(資料:大成建設)
(資料:大成建設)

■電子顕微鏡によって得られた供試体の反射電子像
Fは鋼繊維、Cは未水和セメント、Aはセメント水和物と骨材、Pは空隙(資料:大成建設)
Fは鋼繊維、Cは未水和セメント、Aはセメント水和物と骨材、Pは空隙(資料:大成建設)

■各供試体の未水和セメントと空隙の含有率
(資料:大成建設)
(資料:大成建設)

 曲げひび割れ発生強度と曲げ強度は10年間変化せずに、安定していた。一般的に、コンクリートの曲げ強度は収縮によって低下する。ところが、ダクタルは工場での製造工程で熱養生する際に自己収縮するので、製品となってからは乾燥収縮しにくい。そのため長期的な曲げ強度の低下があまり生じなかったと推察される。

■暴露供試体の曲げ強度などの変化
(資料:大成建設)
(資料:大成建設)