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職人からの提案も増えた

 JV側が提示した二次元の図を見た専門工事会社が、「この手順ではうまく施工できない」と指摘することもあった。湧田鉄筋の大野職長は、「理解してもらえる場合はいいが、こちらが伝えたいことを相手にうまくイメージしてもらえず、やきもきすることもあった」と振り返る。

 元請けと専門工事会社の双方で問題点に気付かず、作業中に不具合が生じることもあった。三次元モデルを使い始めてからは、この種の手戻りが大幅に減ったという。

黒目橋調整地のイメージパース。黒目橋調節池は、東京都東久留米市を流れる黒目川と落合川の合流点付近に位置する。貯留量は6万1600m3で、既設の1号池と2号池を含めて合計22万1000m3。3号池の工期は2011年10月~14年1月(資料:大林組・前田建設工業・大本組JV)
黒目橋調整地のイメージパース。黒目橋調節池は、東京都東久留米市を流れる黒目川と落合川の合流点付近に位置する。貯留量は6万1600m3で、既設の1号池と2号池を含めて合計22万1000m3。3号池の工期は2011年10月~14年1月(資料:大林組・前田建設工業・大本組JV)

 「元請け会社の職員も、打ち合わせ時に専門工事会社の指摘を完全に理解できる人は、それほど多くない。三次元モデルを介してやり取りすることで、職人が指摘する内容を誰もがより正確に理解できるようになった」(大林組JVの長谷茂所長)。「これはできない」、「こうしたほうがいい」といった職人からの指摘や提案を全体の施工計画に反映するケースも、目に見えて増えていった。

 「従来は、鉄筋をうまく組むことだけを考えてきた。三次元モデルを使う手法で元請けとやり取りするようになってからは、『工事全体をより効率的に進めるためにはどうすべきか』という点を強く意識するようになっている。他工種とも互いの問題点を共有して、一緒に効率化に取り組みやすくなった」(湧田鉄筋の大野職長)。