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トンネルや橋の建設現場でも導入

 三次元モデルは、発注者とのやり取りでも効果を発揮している。例えば、設計上の問題点などを発注者の現場担当者に説明する際、理解してもらいやすい。「三次元モデルのデータは発注者の現場担当者にも渡し、上司への説明などに使ってもらっている。設計変更の決定まで、時間の大幅短縮につながったと実感している」(大林組JVの貫井工事長)。

左から大林組JVの貫井工事長、長谷所長、中央の紅一点が現場でただ1人のCADオペレーターである洲川明子氏、湧田鉄筋の大野職長、大林組土木本部本部長室情報企画課の杉浦課長(写真:大村 拓也)
左から大林組JVの貫井工事長、長谷所長、中央の紅一点が現場でただ1人のCADオペレーターである洲川明子氏、湧田鉄筋の大野職長、大林組土木本部本部長室情報企画課の杉浦課長(写真:大村 拓也)

 この現場で使った三次元モデルは、大林組本社の担当部署が発注者の提供図面(二次元CAD図面)をもとに作成。現場事務所にはCADオペレーターが1人常駐し、CADデータの処理作業や工務管理全般などの既存業務に加えて、三次元モデルデータの追加や修正といった処理作業を手掛けている。

 「当社では建築分野で先行してBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用を進めてきたが、12年4月から土木分野での活用の可能性を探ってきた」(同社土木本部本部長室情報企画課の杉浦伸哉課長)。この現場は土木での先行例の一つだ。

 「土木工事では、鉄筋コンクリート構造物は付き物。鉄筋工事の効率化に三次元モデルを本格活用できれば、多くの現場に生かせる」。杉浦課長はこのような期待を述べる。同社では現在、この現場のほか、トンネルやプレストレスト・コンクリート箱桁橋などの工事現場3カ所で同様の取り組みを進めているという。

 CIMをめぐっては、国土交通省が2012年度に設計段階で試行業務を実施。施工段階の三次元モデル活用で大林組JVが手戻りの回避や作業効率につなげたように、設計段階でも可視化の効果を実感している。

 日経コンストラクション2013年6月24日号の特集<加速する「現場のCIM」>では、設計や施工の現場にCIMを導入することで見えてきた効果と課題を紹介している。