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既存施設の運転も困難に?


 JWPAなどは、目標値が強制力を持つ規制値になりかねないと受け止めている。風力発電の実態とかけ離れていて達成が困難な数値であり、施設の新設を妨げるだけでなく既存施設の運転にもマイナスの影響が及ぶと主張する。

 中電技術コンサルタントの報告書が目標値を既存施設にも適用することを提案しているわけではないのに、その影響を強調したのはなぜか。JWPAの事務局は、「運転開始から15~20年が経過し、発電設備の更新を必要とする既存施設がこれから増える。更新時に目標値への対応を一律に求められれば、更新が不可能になってしまう」と説明する。この点について、環境省振動騒音係の桑原係長は、「目標値を設定することになった場合でも、設備を更新する既存施設に一律に押し付けることはない」と述べている。

■風力発電の騒音規制強化案に対する発電事業者の反発
規制の対象 規制強化案の概要 日本風力発電協会(JWPA)などの意見書の要旨
発電施設周辺の民家付近の騒音
(山間部の村落のような静かな地域の屋外を想定)
騒音レベル(A特性音圧レベル)の目標値35dB以下とする。時間帯は終日 ・環境アセスメント中の風力発電施設の計画を70%以上、縮小か中止に追い込む極端に厳しい規制であり、受け入れられない

・強制力がない「目標値」という位置付けでも、環境アセスメントの審査で実質的な規制値にされてしまうので、設定しないでほしい。騒音の規制は現行の環境基本法に基づく騒音環境基準値(住宅地では昼間が55dB以下、夜間が45dB以下)だけでよい

・発電設備の更新を必要とする既存施設がこれから増える。更新時に目標値への対応を一律に求められれば、運転の再開が事実上、不可能になる

 検討会はこうした関係団体からのヒアリングを経て、年内を目標に風力発電の騒音対策をまとめる。