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 素粒子の実験施設である「国際リニアコライダー(ILC)」の研究開発を進めるILC戦略会議は8月23日、日本国内の候補地を岩手県の北上山地に絞り込んだと発表した。福岡県と佐賀県にまたがる脊振山地と比較して検討した結果、トンネル内に湧き出す水を自然排水できる点などを評価して選定した。計画が実現した場合、掘削するトンネルの長さは合計で40km以上に及び、土木的にも大事業になる。

国際リニアコライダーの国内の候補地に選ばれた北上山地(資料:野村総合研究所)
国際リニアコライダーの国内の候補地に選ばれた北上山地(資料:野村総合研究所)

 ILCは、直線状に配置した加速器で素粒子の電子と陽電子をそれぞれ光速に近い速さまで加速し、互いに衝突させることで噴出する粒子を観測する実験施設。電子と陽電子に十分な加速を与えるため、実験施設を設置するには約30kmの直線ルートを確保しなければならない。

 実験施設はトンネル内に設置する計画で、日本のほかに米国や欧州などが候補地に上がっている。日本が国内に誘致する場合に備え、国内の候補地を絞り込む必要がある。建設時や運用時のリスク、コストやスケジュールの増加要因などを比較して選定した。