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出題数の減少で専門外の分野も選択

 一方、もう一つの筆記試験である記述式は出題形式などが見直された結果、多くの受験者が苦労したようだ。記述式は「専門知識と応用能力」を問う論文と「課題解決能力」を問う論文に分かれている。

 専門知識と応用能力を問う論文は、さらにII-1とII-2の2種類からなり、II-1では4問から2問を選んでそれぞれ答案用紙1枚にまとめる。II-2では2問から1問を選んで2枚に記述する。

 「出題数は解答数の2倍程度を目安とする」といった方針が事前に示されており、12年度までの試験に比べてほとんどの科目で出題数が減少。自身の専門性に合致した問題が見当たらないケースもあったようだ。

 例えば「トンネル」の科目の場合、12年度までは二つのグループから各8問が出題され、それぞれ1問を選択する形だった。山岳トンネルやシールドトンネル、開削トンネルの各分野の専門性に配慮して出題されていた。

 改正後の13年度も、これら3分野の専門性を考慮。II-1では4問のうちの2問が山岳トンネル、1問がシールドトンネル、もう1問が開削トンネルをテーマにした内容になっている。

●トンネルのII-1の出題内容
II-1-1 山岳トンネルの切り羽観察項目を列挙し、それぞれの項目の評価区分について記述せよ。

II-1-2 山岳トンネルのインバートコンクリートの施工上の留意点について述べよ。

II-1-3 シールド工事における裏込め注入について以下の問いに答えよ。
(1)注入材に必要な性質を挙げよ。
(2)裏込め注入工の施工管理方法を二つ挙げて、その概要と留意点について説明せよ。

II-1-4 図1に示す開削トンネルの耐震設計の一般的な手順のうち、(イ)~(ハ)に入る手順を挙げ、それぞれの内容について述べよ。
(注)上記の4問から2問を選択する。II-1-4の図は省略

 個々の問題は標準的な内容であり、4問から1問を選ぶのならそれほど難しくなかったかもしれない。しかし、2問となるとシールドトンネルや開削トンネルを専門とする受験者は、専門外の分野の問題も選択しなければならない。

 「河川、砂防及び海岸・海洋」の科目でも河川や砂防、海岸の各分野の専門性に配慮した出題内容になっているものの、4問の出題から2問を選ぶには専門外の分野にも答える必要がある。

 「建設環境」の科目も、生活環境の分野を専門とする受験者は選択に悩む内容だ。結果、これらの科目では白紙で提出した人も少なくなかったようだ。

 一般論なら専門外の分野でも答えられるかもしれないが、これらII-1の各設問で問われているのは「選択科目に関する専門知識」。このような出題で受験者の専門知識を適正に評価できるのか、技術者の専門性とは何かを改めて考える必要がありそうだ。