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 札幌市議会は9月19日、第3回定例議会で2012年度から継続審議となっていた公契約条例案を撤回する上田文雄市長の要求を賛成多数で承認した。業界団体の理解を得られなかったためで、市長は10月31日の会期末までに修正案を再提出する考えだ。

 公契約条例案は、市が発注する一定規模以上の工事や業務で、従事する技能労働者への賃金に下限額を設定するものだ。下限額については、国土交通省などが定めた公共工事設計労務単価や建築保全業務労務単価をベースに決める。条例に違反した受注者などには、入札参加停止などの罰則を科す。

 条例案は市長が12年2月の第1回定例議会で提出したものの、関係業界からの理解が十分ではないなどの理由で継続審議となっていた。「業界団体から基本理念に企業の発展などの視点が抜けているとの意見があった」(札幌市財政局管財部契約管理課)。

 一方で、札幌建設業協会の中嶋富男事務局長は、「そもそも提案した時期が問題だ。労働者の待遇改善は否定しないが、業界を取り巻く経済状況が厳しく、建設会社などは精一杯、企業努力している。労働者や業界を支えるために、今は入札契約制度の見直しなど先にすべきことがある」と主張する。

 同協会は北海道ビルメンテナンス協会、北海道警備業協会、札幌商工会議所などと連携して、市の修正案に対しても反対の意見を表明する考えだ。「条例制定が必要なタイミングなのかという点で賛成しかねる」(札幌建設業協会の中嶋事務局長)。

 下限額のベースとなる労務単価については、国交省が13年度に前年度比約15%増と大幅に引き上げた。これを受け、今年4月には太田昭宏国交相が建設業界団体の首脳に対して、新しい労務単価を技能労働者の賃金水準に適切に反映させるように要請している。