フォトギャラリー
目次
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トラス桁を下りこう配で送り出し
小白倉橋
長さ174m、重さ700tのトラス桁を送り出し工法によって架設した。小白倉(こじらくら)橋の橋桁は鋼材とPC床版、外ケーブルを組み合わせた複合トラス。部材断面の小さいトラス桁を送り出すために、専用の送り出し装置などを開発した。しかも、3%の下りこう配。ジャッキをブレーキにして、桁が滑るのを防止した…
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厚さ8mのコンクリートで堤体基礎を補強
稲葉ダム
コンクリートダムの堤体を支える谷の両側を、コンクリートで固める珍しい工事が最盛期を迎えている。通常は堤体両側の地盤によって支えるが、地盤の中に火山灰層があり、堤体を支える強度がなかった。強度不足を補うために厚さ8mのコンクリートで支える。写真は、アバットメント部分のコンクリートを打設しているところ…
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耐震性能を持つ舗装で初めて堤体を補修
東富士ダム
富士山のふもとの東富士ダムで、耐震性能を持つアスファルトで堤体の表面遮水壁を補修する工事が終盤を迎えている。亀裂が入った既存のアスファルトを約13万m2も削り取り、特殊なアスファルトを厚さ4cmでオーバーレイする。地震の揺れに追従して変形する性能を持ち、阪神大震災クラスの地震でも、ひび割れが発生し…
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明治期の木橋を復元して峠道をつなぐ
三浦峠道の橋
紀伊半島の熊野三山や吉野山などの霊場と、それらを結ぶ参詣道(さんけいみち)が、2004年に世界遺産の登録を受けた。半島の東南部に位置する熊野参詣道、いわゆる「熊野古道」も、対象に含まれている。この熊野古道に2005年4月、新しい木橋が開通した。木橋を復元するに当たり、残っていた石垣をいったん解体し…
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半径10mの急曲線を連続して掘進
津之郷・草戸幹線
福山市内で仕上がり内径1mの下水道幹線を泥土圧式のミニシールド工法と呼ぶ技術で施工している。同工法は、仕上がり内径100~ 200cmの小口径管を対象とするシールド工法だ。2005年3月から掘進を開始して間もなく最大の山場を迎えた。曲率半径10mの急曲線がS字を描く。内径1mではこれまで、曲率半径…
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PC桁に脱塩を初めて本格採用
小余綾高架橋
完成から40年経過して塩害で劣化した小余綾(こゆるぎ)高架橋のPC(プレストレスト・コンクリート)桁を、電気化学的脱塩と呼ぶ方法で補修している。鉄筋コンクリートでは実績があるが、PCで本格採用したのは初めてだ。コンクリート中に生じる水素でPC鋼材が傷まないよう、電気の流し方を工夫した。写真は脱塩作…
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不用の横坑をエアミルクでふさぐ
大仏ダムの横坑
長野県は建設を中止したダムの地質調査用の横坑を、エアミルクで充てんしている。横坑の大きさは高さ1.8m、幅1.2~ 1.4m。ふさがないと県道などが陥没する可能性があった。同県としては初めて、公募型プロポーザル方式で施工者を選定。全国的にも珍しい方式だ。エアミルクを使う工法は施工者が提案した。工費…
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円形帯鉄筋を使って鉄筋量を2割減
勝更・稲荷高架橋
円形に組んだ帯鉄筋を重ねて配筋する「インターロッキング方式」と呼ぶ方式で橋脚を築いている。米国のカリフォルニア州で普及している方法だ。日本道路公団は、この勝更(かつさら)高架橋などで本格的に採用し、全国で導入を目指す。従来の配筋方法と比べて中間帯鉄筋が不要となり、鉄筋量を約2割削減できる。帯鉄筋が…
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地元に溶け込む世界一高い道路橋
ミヨー高架橋
パリから地中海へ南下する途中、交通の難所だったミヨーに2004年12月、世界一高い高架橋が開通した。民間からの資金調達のほか、環境に配慮したデザインや施工が地元の住民に受け入れられた。同高架橋は8径間連続鋼床版斜張橋で全長は2460m。コンペで選ばれた英国の建築家、ノーマン・フォスター卿のデザイン…
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観光客と住民が共存する川辺
津和野川
高津川水系津和野川は、総流域面積139.1km2、総延長37.3kmの一級河川。1987年、観光地として人気がある津和野町の市街地を流れる区間を対象に、旧建設省から「ふるさとの川モデル河川」の指定を受けて整備計画を作成。89年、整備計画の認定と同時に事業に着手した。91年から東京大学の篠原修教授が…
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ライフサイクルコストを3割減
安方橋
利用を始めてから67年たった橋を補修する。ウオータージェットでコンクリートの表面をはつった後、モルタルを吹き付けて断面を修復する。補修工法を決めるに当たって、青森県はアセットマネジメント(資産の計画的な管理)と呼ぶ手法を初めて採用した。同県のこれまでの補修工法に比べて、補修後50年間のライフサイク…
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流域に安心もたらす大規模公園
鶴見川多目的遊水地
1960年代からの急速な市街化によって失われた保水機能などを補うよう、遊水地を整備して流域の水害に対処する。平常時は公園となる遊水地の運用を2003年6月から開始。2004年の台風では総貯水量の3分の1が流入して水害を防いだ。1979年に旧建設省が「総合治水特定河川」に指定し、80年に全国に先駆け…
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地下空間の愛好者が参加
首都圏外郭放水路の地底文化フォーラム
国土交通省江戸川河川事務所は2004年11月21日、首都圏外郭放水路の役割を市民に理解してもらうため、「地底文化フォーラム」を開催。インターネットによる一般公募から選ばれた250人が首都圏の各地から参加した。埼玉県庄和町にある調圧水槽の内部を会場として使った。映画監督の庵野秀明氏や写真家の内山英明…
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接着剤の注入で土木遺産を補強
十六橋水門
近代土木遺産に認定された水門を改修して耐震性能を高める。堰柱の表面を覆う石材の背後に接着剤を注入して内部のコンクリートと一体化する方法を初めて採用。このほか、レンガも積み直している。歴史的構造物として建設当時の姿を保存しながら改修するのがポイントだ。同時にゲート設備も交換して、洪水調節などの機能を…
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景観に着目した市民が活用へ口火
基町環境護岸
基町環境護岸は、河道に沿って自然にカーブする護岸が約880mにわたって続く。水際に玉石を張り、随所に階段式護岸や水制工を設けて、表情豊かで市民が親しみやすい河川景観を生み出した。階段式護岸は、その昔、船着き場などに下りるためにあった雁木(がんぎ)と呼ぶ階段をモチーフにしたデザインだ。河川の親水性や…
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仮橋を既存の橋脚に架ける
大森大橋
台風18号の高波によって桁が落下した国道229号の大森大橋を応急復旧する工事。落下した桁の長さは159mで、全体で10径間あるうちの4径間分だ。交通の不便を早く解消するため、既製のトラス形式の仮橋を、残った橋脚に架ける。台風でひび割れが生じた3基の橋脚は、仮橋を架ける前に補強した。架設にはクレーン…
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釣り人を集める洗掘防止の突堤
菊池川の水制工
川に突き出す水制工を考えたのは、従来のコンクリート護岸に対する不安があったからだ。国土交通省菊池川河川事務所は、既存の護岸が崩れた後の検討で、堤防の表面を覆うコンクリート護岸を造っても、河床の洗掘の進行は防げず、いずれ再び崩れると予想した。そこで、加藤清正が造った「石はね」という水制工に着目した。…
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鋼板で地山の荷重を支える
萩台トンネル
横浜市は、覆工コンクリートにひび割れなどが生じた道路トンネルの補強に、覆工内面に厚さ2.4cmの薄い鋼板を巻き立てる工法を採用した。鋼板と覆工との間にはエアミルクを充てんする。鋼板が地山の緩みによる上載荷重も支える。補強厚は標準7.5cmで、建築限界を侵さない。写真は1枚400kgの鋼板を覆工の内…
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1台で世界最長の9kmを掘進
東西連係ガス導管
神奈川県と千葉県にある二つの発電所をガス導管で結ぶために、東京湾の海底下にシールドトンネルを造る工事。トンネル全体の長さは18km。9kmずつ2工区に分けて発注された。各工区のシールド機が1台で掘進する長さはともに世界最長だ。月進500mの高速施工が求められるなか、月進1167mを記録した。最大で…
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「水の都」の復活へ住民が先導
源兵衛川
ごみ捨て場と化した農業用水路は1991年から98年にかけて、地域住民の先導で再生した。親水公園として楽しみながら美しさを保つため、NPO(非営利組織)や住民が積極的に活動。かつての「水の都」が復活しつつある。用水源である三島市立公園「楽寿園」の湧水の減水による環境の悪化に危機感を抱いた地域住民が「…