つなぎ合わせたリングの総数は254個。幅15m、長さ24.5mのネット状に組まれて、急こう配の沢をふさぐように張られている。長野県安曇村の上高地で、ワイヤーネット型と呼ばれる珍しい砂防施設が、雪解けとともに顔を出した。焼岳のふもとの上々堀沢(かみかみほりさわ)に、2002年10月に造られたものだ。大勢の観光客が訪れる上高地は、国立公園特別保護地区に指定されている。上高地を土石流から守るための砂防施設なので、自然環境に配慮した構造物にする必要があった。従来のコンクリート製の砂防ダムは、沢や川を横断して多くの土砂を掘削する。完成後も上下流を分断するので、生態系に大きな影響を及ぼす。それに対してワイヤーネット型は、土砂の掘削が両岸の橋台を施工する部分に限られ、河床は掘り返さない。

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