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日本建築家協会(JIA)は2月18日、建物の3次元モデルを中心に設計を進めていく「ビルディング・イン

フォメーション・モデリング(BIM)」や、施主、設計者、施工者などの建設関係者が密に連携してプロジェクトを進

める手法「インテグレーテッド・プラクティス(IP)」をテーマにしたシンポジウム「JIAはインテグレーテッドプラク

ティスをどう捉えるべきか
」開催しました。


JIAでは、これまでも2007年7月同10月にも同様のイベントを行っています。これまでは、欧米などでの

BIM活用事例の報告や、日本でもできるかといった議論が多かったのですが、今回はちょっと毛色が

異なり、日本でのBIM活用事例が続々と報告されたのです。


その内容は、いよいよ、




2009年は日本のBIM元年




の到来か、と感じさせる迫力満点のものでした。100人近くがつめかけた会場の様子をご紹介しましょう。


JIAはインテグレーテッドプラクティスをどう捉えるべきか」の会場となった建築家会館ホールは100人近くの参加者で満員だった


山下設計の藤沼傑さんの講演では、建物付近で爆発が起こったときのシミュレーション例も報告


安井建築設計事務所の村松弘治さんの講演。同社ではBIMによって実施設計までできるメドをつけたとのこと


日本で10年ほど仕事をしているというゲンスラー アンド アソシエイツのジェフリー・ハルバーソンさんは日本語ペラペラ。一番効果の高い省エネ方法は「建物の断熱を強化すること」という説明に建築家の皆さんもうなずいていました


日建設計の山梨知彦さんの講演。超高層ビルに「打ち水機能」を付け、BIMを熱流体解析に活用して実現に結びつけた例を紹介


2011年に東京で開催されるUIA(国際建築家連合)において、インテグレーテッドプラクティスをどう捉えていくかについて講演した日建設計の和智信二郎さん(左)と、昨年末から今年初めにかけて続々と出版されたBIM関連書籍(右)

欧米のBIM導入事例を視察し、日本での活用方法を考え、試行してきた講演者からは、日本の建築

業界に合ったBIMの活用方法についてのアイデアや経験談が続々と報告されました。


まず、山下設計の藤沼傑さんは、「フロントローディングという言葉は大嫌い。最後まで設計を頑張れる

ツールとして活用したい」と講演しました。プロジェクトの上流工程ですべてを決めてしまうのではなく、

逆にギリギリまで引っぱっても設計変更ができるというBIMの使い方もあるだろうという提言です。


組織事務所としてBIM活用をリードしている安井建築設計事務所の村松弘治さんは、同社では

BIMによって



実施設計が行えるメド



がついていることを報告しました。図面間の連動の強みを生かした設計効率の改善が印象的でした。


1月に「BIM建設革命」(日本実業出版社刊)を出版した日建設計の山梨知彦さんは、去年の

アメリカ建築家協会(AIA)のボストン大会に参加してから、BIMに対する否定的な見方が一変、

「自分自身が3次元CADでやってきた設計こそ、BIMの実践ではないか」と気づいたそうです。

そして帰国後、2カ月ほどでBIMについての単行本を書き上げたそうです。すごいパワーですね。


このほか、水面下では「日本のBIM元年」を裏付ける動きが、建築設計事務所やソフトウエア

ベンダー、建材メーカーなどに起こり始めているようです。


ソフト、活用のノウハウ、コンテンツが充実してきた今、新しくBIMにチャレンジする企業は

敷居が低く、メリットも多そうですよ。不況で仕事が減ったときこそ、BIMをマスターするいい

機会と、前向きに考えてみてはどうでしょうか。