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今回の建設IT注目情報 ~建築学会シンポジウム「BIMで設計は変わるのか?」~

 昨年9月、インターネット上でBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用技術を競う仮想設計コンペ「Build Live Tokyo 2009 II」(主催:IAI日本)が開催されました。

 コンペの課題は川崎市に実在するマンションの建て替え案を、わずか48時間で設計することでした。この過酷な戦いに挑んだ7チームの“報告会”ともいえるイベントが3月24日、東京・芝の建築会館ホールで開催されました。

 日本建築学会の建築計画委員会、計画基礎運営委員会、情報設計小委員会が主催したシンポジウム「BIMで設計は変わるのか?~インターネットを活用した設計コンペからみえたこと」です。

 まず、各チームの代表者が作業内容などを個別に報告した後、全員が壇上に勢ぞろいしてパネルディスカッションを行いました。各チームは、建設会社や設備工事会社、小規模な建築設計事務所、ソフトベンダーが母体となっています。

建築学会シンポジウム「BIMで設計は変わるのか?」のパネルディスカッション(写真:家入龍太)

 各社の立場は様々に異なりますが、ホンネの意見交換が、ざっくばらんな雰囲気のなかで行われました。

 例えば、企画、設計から施工へと流れる建築プロジェクトの“下流段階”から参画することの多い会社のチーム代表者は、合理的な設計をしたくても、
 
「時、既に遅し」
 
ということが多いと、生々しく語りました。

 BIMを活用する大きなメリットは、「フロントローディング」(設計業務の前倒し)により、プロジェクトの初期段階で様々な問題を解決できることです。その必要性をリアルに訴えました。

 また、大手建設会社は「模型を使うと、設計者が自分の案に固執しがちだが、BIMだとそんなことは少ない」、「別のコンペでBuild Live Tokyoと同じやり方で作業したら、うまくいった」といったウラ話を披露しました。

「Build Live Tokyo 2009 II」に参加したチームの作品(資料:IAI日本)

 今回のコンペは、BIM活用の最先端を突っ走る企業同士のガチンコ勝負という雰囲気もありました。このような高度なレベルの話題を扱うシンポジウムに、果たしてどれだけの人が集まるのかが心配でしたが、杞憂(きゆう)でした。