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イエイリはここに注目した! ~生産性向上に不可欠な発注者のリーダーシップ~

 建築プロジェクトにかかわるプレーヤーは発注者のほか、設計事務所、ゼネコン、専門工事会社、メーカー、そして完成後の管理会社など、多岐にわたります。

 企画、設計段階から施工、維持管理へのBIMモデルデータを一貫して使うためには、プレーヤーすべてがBIM活用に対応しないと、生産性向上の効果が十分に発揮できません。

 そこで、求められるのが
 
発注者のリーダーシップ
 
なのです。

 つまり、建築プロジェクトの発注者として、設計、施工、維持管理に主体的にかかわり、使用するツールやデータの仕様を決めたり、設計・施工段階の意思決定に参加したりすることです。

 こうした発注者のリーダーシップがあってこそ、各プレーヤーは足並みをそろえてプロジェクトの上流から下流へとBIMモデルのデータを引き継いでいけるのです。

 米国の建築業界でBIMが普及した原動力の一つは、国交省官庁営繕部に似た組織であるGSA(連邦調達庁)が、BIM用のデータ交換規格である「IFC」による設計データの電子納品を義務づけたことが挙げられます。

 BIMモデルはそのデータ自体が“世界共通言語”とも言えるものであり、外国語のハンディがあっても設計内容を簡単に他国の発注者や技術者に伝えられます。また、インターネットを通じて海外とのコラボレーションも簡単です。そのため、建設業の国際展開もしやすくなるでしょう。

 また、建築物の完成後は、維持管理にBIMモデルを使うことで修繕履歴の管理や修繕計画作成を効率化、売買時に行う「デューデリジェンス」の高精度化なども可能になります。これらは、建設業の新ビジネスとしても有望です。

 国交省が2010年度に行うBIMの試行は、小さな一歩かもしれません。しかし、この一歩が、日本の建設業界が抱える生産性向上、国際展開、新分野進出といった課題を解決する“偉大な躍進”につながることを期待したいですね。

家入龍太(いえいり・りょうた)
1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。
家入龍太の公式ブログは、http://www.ieiri-labo.jp/。ツイッターは、http://twitter.com/ieiri_lab