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今回の建設IT注目情報 ~冨田和弘著「速習 建築CGパースマスターブック」~

 ほとんどのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)や3次元デザインなどのソフトには、簡単にCG(コンピューター・グラフィックス)パースを作る機能が付いています。また、最近のパースは写真で撮ったようなリアリティーを追求する動きもあります。

 その結果、最近の建築パースは、アングルや陰影の設定、添景などがおろそかになり、以前より質が落ちているのではないか、と危機感を持つ人がいます。そんな一人、冨田和弘さんはこのほど、建築CGの入門書「速習 建築CGパースマスターブック」(ボーンデジタル刊)を出版しました。

 CGパースの作成によく使われるソフト「3ds Max」と「Photoshop」を使って、建物に陰影を付けて実感的に見せる「レンダリング」や、画像を修正する「レタッチ」などの方法を初心者向けに解説した本ですが、

 ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
 
ソフトは脇役
 
という考え方で構成しているのです。

「速習 建築CGパースマスターブック」の表紙(左)と著者の冨田和弘さん(右)(写真:家入龍太)

 つまり、建築的なテイストのあるCGを作ること自体を本のメーンテーマとし、ソフトの使い方は必要最小限にとどめています。また、BIMの設計データを基にCGを作ることも想定し、3次元モデルを作る機能の説明は割愛しています。

 膨大な数の機能を取捨選択してくれているのは初心者には助かりますね。

書籍の中身。建築CGパースの作成に必要な機能だけを解説している(写真:家入龍太)

人物の表現方法を解説したページ。奥行き方向に人物を重ねたり、ランダムな間隔に配置したりすることでリアルな感じを出すテクニックを紹介(写真:家入龍太)

 冨田さんは2007年まで大成建設設計本部でプレゼンテーショングループのプロジェクトリーダーを務めた後に独立し、現在は建築の設計思想をグラフィックに表現する「建築ビジュアライゼーション」の専門家として活動しています。原広司さんや伊東豊雄さんといった有名建築家の作品をCGパース化する仕事も多く手がけました。

 その過程で、冨田さんはコンペやプレゼンテーションで勝つためのCGパース作成哲学を学びました。その思想は、この本にも生かされています。