イエイリはここに注目した! ~“地味で泥くさい業務”にもBIMのスポットライトを~
今回、審査員を務めたのは、武蔵野美術大学理事でARX建築研究所代表の松家克さん、東京都市大学都市生活学部教授の山口重之さん、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科教授でIKDS代表の池田靖史さん、日建設計設計部門副代表の山梨知彦さん、そしてIAI日本のメンバーです。
審査は、各チームから提出されたBIMモデルや画像などのデータのほか、実際の建物を審査するようにバーチャルな内部を見ながら進む「ウォークスルー」という方法でも行われました。多くのチームが参加したため、審査には大変な労力がかかったようです。
審査員のほとんどが意匠設計を専門としているためか、意匠設計の出来栄えを中心に評価しているようです。しかし、施工管理や維持管理といった
地味で泥くさい業務
にもスポットライトを当てて、同じウエイトで評価してほしいと思いました。
というのも、コンペを主催したIAI日本は、「IFC」というBIMモデルのデータを様々なソフトウエアで交換するための世界標準規格を開発している団体だからです。そしてBuild Live Tokyoは、建物の企画、設計から施工、維持管理までの一連の業務をBIMによって合理化するワークフローの縮図です。
各チームがワークフローのどの部分にBIMモデルのデータを活用し、生産性を向上できそうかという視点で評価することは、建設ワークフローのあらゆる業務にBIMが関係していることのアピールになります。結果として建設業の幅広い分野でのBIM活用を促進し、業界全体での生産性向上の実現につながるのではないでしょうか。
<訂正>
初出時、審査員の日建設計・山梨知彦氏のコメントに誤りがあり、訂正しました。(2010年11月5日23時30分)

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